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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.02.25
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カテゴリ:政治・外交
 西尾幹二氏のブログ「インターネット日録」を見ていたら、ご自身の塾会での講演を塾生(渡辺望氏)がまとめたものが載っていた。その中に「アメリカは気まぐれである」という西尾氏の米国観が書かれている。

<アメリカは世界中に果てしなくアメリカニズムを輸出する本能と、逆に非介入の方に縮こまる本能の両極に揺れ動く不可思議な二面性をもっている国だ。この前者と後者の揺れ動きの気まぐれが、国際政治の現実にその都度、創造や破壊をもたらし続けてきている。中国国民党と提携して日本を叩いたかと思えば突然、中国国民党を見限って、結果中国大陸の共産化が生まれてしまった>

 米国には宗教的な過激な原理主義もあり、西尾氏は「20世紀のジェノサイド(大量殺戮)の起源は南北戦争の北軍にあった」とも見ている。東京をはじめとする日本の主要都市への空襲、広島、長崎への原爆投下といったジェノサイトも過激な原理主義が背景にある。

 だが、その原理主義が自由主義、民主主義と結びつき、全体主義の共産陣営と対峙し、自由を守るため朝鮮戦争やベトナム戦争の最前線で戦う礎となってきたことも、また否めない。

 一方で、宗教的な確信が米国の侵略政策の原動力になったのも確かだ。米西戦争によってカルフォルニアやフィリッピンを勝ち取り、ハワイを占領してきた。また、中国と組んで日本に包囲網をつくった。その一方、冷戦終了後も国力を疲弊させながら世界で軍事基地を維持し、何とか世界の警察官としての役割を担っている。

 極東に位置し、中国、北朝鮮、ロシアに囲まれている日本は、こうした二面性、多面性を持つ超大国アメリカと否が応でも付き合って行かざるをえない。同盟国として。では、どう付き合うか。西尾氏のブログに、こんな記述がある。

<西尾先生と福井義高さんの対談で「アメリカには別所毅彦のような直球で対決しては駄目で、関根潤三のような軟投でなければ駄目だ」という話が出たことが思い出されます。西部(邁)さん流の古い反米論は「直球」なのでしょう。だから親米保守派に簡単に打たれてしまう(笑)。様々な顔=打法を持つアメリカだからこそ、西尾先生の著書には「さようならアメリカ」という論題もあり、「不可解なアメリカ」もあり、「ありがとうアメリカ」もある。西尾先生のアメリカ論は「軟投」なのです>

軟投、柔軟さこそが、気まぐれで、わがままな、だけど自由で開放的で、めっぽう軍事力や経済力のある超大国と永く、粘り強く付き合うコツなのだろう。

米国が難題を吹っかけてきても、真っ向からケンカしてはいけない。日本は戦前「中国から全面撤退せよ」などという無茶な要求を、ハルノートという形で突きつけられ、「もはやこれまで」と、怒りとともにハワイに攻撃したが、とんでもない愚策であった。

怒りを抑えてハルノートを世界のマスコミに公開し、当時の感覚では「いくらなんでも無茶な要求でしょ」と世界の世論に訴える手はあった。

当時、戦争なんてとんでもないと内向き志向だった多くの米国民の間で「日本の言うのももっともだ。もう少し穏やかな要求をすべきだ」という声が高まり、ルーズベルト大統領も要求を緩和することは十分ありえた。

 それでも無理なら「わかった、撤退しよう」と言いながら、牛歩戦術でほんの少しずつ撤退するやり方もあった。この点、サラミを薄くはぐように、わずかずつ相手の要求に応ずる北朝鮮に学ぶことは多い。

 そうこうしているうちに事態は変わる。当時ならドイツの敗戦が濃厚となり、ソ連の攻勢が強まり、米国は日本が共産陣営の防波堤として必要ということに気付き、日米関係が改善すると可能性もあった。

 直球はダメ、軟投が大事。靖国参拝も「失望」と言われたぐらいでオタオタする必要はない。オバマ政権の考え方は時とともに変わるし、共和党の天下になれば、また事態は変化する。

事実、ブッシュ共和党政権は「失望」なんて言わなかった。「靖国神社はリンカーン記念堂なのだ」と言いつつ、相手を説得し続ける粘り強さは肝心だ。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)でも、のらりくらりとやることが大事である。





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Last updated  2014.03.04 22:20:12
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