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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.02.27
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カテゴリ:政治・外交
宮崎正弘氏のメルマガ「国際ニュース・早読み」(2月26日)に、興味深い記事が出ている。

中国の習近平国家主席が3月に欧州歴訪へ出るが、その際ドイツでベルリンの「(ユダヤ人)ホロコースト記念塔」を見学し、献花したいと希望したところ、ドイツが拒絶した。

 ニュースの出典は香港『明報』(2月25日)。宮崎氏によると、「香港のウォールストリートジャーナル」と言われるクオリティぺーパーで、論調は中立、北京寄りではないという。

 ドイツが拒否したのは、反日キャンペーンに利用されることを嫌ったから。「ドイツは戦争の謝罪と補償を済ませたが、日本は謝罪していない」という例の調子で、ドイツを持ちあげつつ、日本を非難して日本のイメージ悪化と国際的孤立を促す作戦に使われるのが見え見えだからだ。

現に、ドイツ駐在の中国大使は先月もドイツのテレビで、「ドイツは深刻な謝罪と誠意ある補償をしたが、日本は安倍首相が靖国参拝をしているようにドイツに比較すると謝罪は軽く誠意がない」などと発言。他の欧州諸国でも駐在中国大使は同様の戦術をとっている。

中国は大切な貿易相手で、とりわけドイツは反日ムードの中国で日本車が売れなくなった隙にドイツ車のシェアを高めた。今やドイツの自動車メーカーにとって中国は最大の得意先だ。

中国が望むようにしてあげた方がいいし、一方の日本は何か言われても中国のように強硬に反発することがなく、叩きやすい。そういう姿勢から中国と同調して、日本を批判する空気が強かった。

だが、物事には限度がある。今さら第2次大戦でもあるまい。現在の日本は自由主義、民主主義の国だ。戦後、一度も戦争をしたことがない。それに引き換え、中国は朝鮮戦争に参加し、ベトナムにも攻め込み、ソ連、インドとも紛争、戦争を起こしている。軍拡も長期的に続けている。
   
 国内では文化大革命時の人民弾圧や天安門事件、民主運動家の軟禁、法輪功弾圧、チベット人虐殺など人権侵害がはなはだしく、およそ民主国家、平和国家とは言い難い。
   
そこで、これ以上、中国の日本叩き、誇大宣伝を許してはいけないと、バランス感覚が働いたようだ。

 宮崎氏のメルマガによると、スペインは裁判所命令で江沢民元国家主席に「逮捕状」をだした。法輪功弾圧、臓器摘出強制の容疑である。また胡錦涛前主席に対してもスペインは「チベット人虐殺」容疑で取り調べを行うと発表した。

日本は安部首相が盛んに欧州を訪問、積極的平和主義を標榜している。その姿勢が評価されてきているのかも知れない。

風向きは変わってきた。今後も、日本の戦後の平和主義、民主主義を前面に押し出し、世界の民主国家と連携するという発言を繰り返す、いい意味での宣伝工作が重要だ。





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Last updated  2014.02.27 05:46:31
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