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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.03.04
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カテゴリ:外交・軍事

 ウクライナ情勢は緊迫の度を増している。ロシア軍がウクライナ南部のクリミア自治共和国に展開、同共和国のウクライナからの分離・独立を視野に入れた動きを見せている。

 これに対して、米国のオバマ大統領は「そんなことをすればロシアを経済的、外交的に孤立させる」と警告しているが、さてどうか。クリミア半島はロシア黒海艦隊が本拠地にしている地政学上の要衝だ。

 クリミアは渡すが、そこを超えてロシア軍がウクライナに入ることはさせない――といった辺りで、ロシアと米国(それにEU)との妥協が成立する。気の早い粗雑な話で申し訳ないが、そんな落しどころになりはしないか。

 こんな勝手な想像をするのは、昨日のブログで書いたように、ウクライナ情勢は他人事ではないからだ。尖閣諸島、いや尖閣を含む沖縄全体がクリミア共和国に似た状況にあるのではないか。

 先日、日高義樹氏へのインタビューで紹介したように、軍事予算を削減し、内向きになっている米国は尖閣諸島問題に介入しない。日本自身の問題として突き放した態度をとりつつある。もしかしたら沖縄の米軍基地さえ安泰なら、沖縄の領有についても「われ関せず」の態度をとるかも知れない。

 以前、拙ブログで紹介した恵隆之介氏の新著「沖縄が中国になる日」(育鵬社)は、沖縄がいかに左翼勢力に支配され、それと連携する中国・北朝鮮の外交戦略によって動かされているかを解説している。 仲井真弘多知事と稲嶺恵一・前知事は中国帰化人の子孫であり、他にも沖縄行政の幹部で帰化人やそれに同調する人間は多い。彼らは親中派で、中国要人との関係は深く、反米運動に熱心だ。

 もともと沖縄は琉球王国で14世紀ごろから明国に朝貢していた。琉球の実質統治者は大陸移民で、薩摩が琉球に侵攻する1609年まで、明国の強い影響下にあった。その後も琉球は中国系移民が実質的に支配してきた。 マスコミも「沖縄新報」と「琉球タイムス」の2紙の合計シェアが97%に達しており、反米、反日本政府、親中の論調に満ちている。

 沖縄の自治労、教育組合も親中、親北朝鮮、反日、反米一色で、保守系の政治家でも親中・反米派が多いのが現実だ。背後には沖縄を日本から切り離そうとする中国の暗躍がある。

 中国船の尖閣領域への頻繁な侵入は、日本の自衛隊の対応だけでなく米軍の動きを瀬踏みしているのであり、アメリカが手出ししないとわかったら、漁民などに変装した軍人が尖閣に上陸し、実質支配に動くだろう。

 その後は、親中派の住民と手を結んで、石垣、宮古など米軍のいない島へと上陸する。それも観光客や留学生などを装った中国軍人が静かに入り込み、役所など要所を占拠する。そして親中派の住民に中心に琉球王国の独立を呼びかけ、長期的に沖縄本島にいる米軍を追い詰める。恵氏の「沖縄が中国になる日」のシナリオに沿って描けば、そういう作戦をとるだろう。

 まさに「沖縄が中国になる日」の到来だ。日本政府が手を拱いて何もしなければ―――。ウクライナ問題は対岸の火事ではない。





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Last updated  2014.03.04 21:54:57
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