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鎌倉橋残日録 ~井本省吾のOB記者日誌~

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2015.02.24
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カテゴリ:生活・人生
 前々回のブログ「少子化と『男女平等』思想」について、Merciさんから「平等でなくても良いですが、どうしていつも女性が我慢を強いられる方法しかないのですか?」というコメントをいただいた。

 
 これはブログで紹介した国内最高齢の現役助産師、坂本フジヱ氏(91)が「(昔は)女性が旦那を立てることで夫婦関係や家庭が円満に運んだ」という趣旨の発言をしたことを指しているのだろう。

 坂本さんの判断では、当時の女性は我慢を強いられていたわけではない。それは「旦那を立てていても、実際は自分が上位。そういう家庭が多かった」という言葉に表れている。


 現在でもそうだ。家庭の財布の中の8割は女性が実権を握っているといわれる。子供や自分の衣服はもとより亭主のカジュアルウエアも自分が見立て、家具・インテリア、家電製品もほとんどすべて自分の好みで選んでいる。

 消費財メーカーやサービス業もそれを前提に商品企画を進めている。賢い女性は夫を立てつつ、楽しく自由に自分好みの生活設計を立てている、と考えられるのだ。夫は別の形で妻を立てている、あるいは尊重しているとも言える。

 だが、それでも「男は社会へ出てうまくやっている。犠牲を強いられるのは女性ばかりだ」と思う女性がふえた。女性にも男性と同様の仕事をやらせるべきだし、地位もポストも与えるべきだ、と考える。

 そこで、有権者の声を尊重する民主政治のもと、男女平等の労働、経済政策が進んだ。女性の自由が増したという点では望ましい社会になったと思う。でも、坂本さんはそれで夫婦は幸せになったのだろうか、行き過ぎてはいないかと疑問を向けたのである。再録すると--。

 <男女雇用機会均等法ができて以降、家庭でも会社でも、女性と男性が同じような役割を果たすべきという考えが当たり前になりました。でも……(全く違う男女を)同じようにしたら歪みが出てくるんは当たり前です。セックスレスの夫婦は最近ほんとに多くて、深刻な問題やなぁと思うんですが、男と女がおんなじようになってきたら、セックスせん人が増えるんは分かる気もします>

 女性が我慢を強いられるくらいなら、結婚しない男女やセックスレス夫婦がふえてもいいではないか。それも一つの考え方である。

 女性が自由に仕事をし、なおかつ夫婦仲良くという社会が望ましい。だが、男という「性」は多くの場合、女性に「立てて」もらわないと、結婚欲や性欲が失われてしまうようなのだ。

 もちろん「妻が仕事に出てバリバリ働き、夫はアルバイト程度に仕事をしているほかは、もっぱら家事、育児を担っている。それで夫婦はうまく行っている」という例はある。典型的な草食系亭主と肉食系夫人のカップルであり、私の知人にも見当たる(ただ、その場合でも、どこかで妻が夫を立てていることが少なくないが)。

 夫婦百景、十人十色。二人の仲がうまく行っていて、子供も健やかに育っているのなら、他人がとやかく言う筋合いではない。どちらがどれだけ外で働き、どっちがどの程度家庭を担うかは二人の自由である。

 ただ、確率的に安定しやすいのは男性が肉食系、女性が草食系という関係なのではないか。むりやりその関係を逆転、ないし同じ(平等)にすると、居心地の悪さから絶食系がふえる。特に女性よりも男性の方で絶食化が進む。現在はそういった状況ではなかろうか。

 






Last updated  2015.02.25 02:11:08
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