遠方からの手紙

2008/02/12(火)01:47

そういえば今日は 「建国記念日」 であった

歴史その他(34)

 ひょいと思い出したが、今日は恐れ多くも畏くも 「建国記念日」 であった。調べてみたら、この日が政令で 「建国記念日」 として定められたのは、すでに41年も前のことである。 もっと正確に言うならば、「国民の祝日に関する法律」 で、「建国をしのび、国を愛する心を養う」 日として、「建国記念の日」 なるものが定められたのが42年前であり、その日が当時の佐藤内閣の政令によって2月11日とされたのが翌年、すなわち今から41年前ということである。 いうまでもなく、この日は戦前には 「紀元節」 と呼ばれていた日なのだが、今を去ること2600有余年前に、かの神武天皇すなわちカムヤマトイワレヒコノミコト、別名ハツクニシラススメラミコトが、日向の国の高千穂から始まった東征の末に、奈良の橿原宮で即位したという、由緒あるありがたい日なのである。  「古事記」 によれば、神武天皇という人は、雲の上から矛でどろどろの海をかき混ぜて日本列島を作った、イザナギとイザナミの娘である天照大神の孫として、その命を受けて天より降りてきたニニギノミコトのひ孫なのだそうだ。 また、たった一本の釣り針をめぐって、壮絶な兄弟げんかを繰り広げた山幸彦と海幸彦は、それぞれ神武天皇の祖父と大叔父にあたる。この山幸彦ことホオリノミコトが、海でなくした兄の釣り針を見つけてくれた海神の娘と結婚して生れたのが、神武天皇の父ということになる。 ただ、この兄弟、どう読んでも、天から降りてきた神様の孫というより、ただの海山の狩人としか読めないのだが、それはご愛嬌というものだろう。ちなみに、この祖父である山幸彦ことホオリノミコトは、なんと580歳まで生きたというから驚きである。 なお、神武天皇は137年生きたのだそうだ。旧約聖書の 「創世記」 によれば、箱舟の話で有名なノアは950年も生きたそうだし、神に自分の息子を生贄に差し出せという無理難題を言われたアブラハムは、175年生きたのだそうだ。まさに、両者、甲乙付けがたしというところである。 むろん、神話とか伝説とかいったものはどこの国にも民族にもあり、それはそれでよいのだが、もしも、外国の人に 「建国記念日」 の由来と根拠について尋ねられたら、いったいどのように説明したらいいのだろうか。これは、けっこう難しいだろう。やっぱり、日本は最先端の近代と神話的な古代とが同居した、世界にも珍しいアニミズム国家なのかもしれない。

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