1436150 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

遠方からの手紙

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

Comments

effelpist@ kilovermek.es effelpist &lt;a href=&quot; <small> <a href="http…
クロワッサン@ Re:物言えば 唇寒し 秋の空(10/08) 空ではなくて風なのでは??
夢野久作孫@ Re:玄洋社とカレーの関係(04/07) ‪本来の玄洋社は国権派ではありません。戦…
http://cialisvipsale.com/@ Re:あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない(09/17) bijsluiter cialis 10mgpredaj viagra kam…
小林先生@ Re:恐妻家と愛妻家のはざまで(07/18) 失礼ながらよくまとまっているせいか たい…
akkun @ Re:岡崎次郎はどこへ消えたのか(10/01) 向坂逸郎(?)って悪いヤツだ! そういう欲…
大津 真作@ Re:岡崎次郎はどこへ消えたのか(10/01) 実は岡崎次郎さんには、岡崎三郎さんとい…

Freepage List

Category

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07
2009.07.28
XML
カテゴリ:陰謀論批判

  先週、天上で行われた太陽と月との戦いは、一時間足らずでぶじに太陽の勝利に終わった。といっても、事前にきちんと時間を調べていたわけでもなく、たまたま入っていた大型スーパーから出たところ、なんとなくあたりが暗くなっており、おまけに外に立っている老若男女のみなさんが、そろいもそろって天の一ヵ所を見上げているのをみて、そういえば今日は日食の日であったなあ、と気づいた始末ではあったが。

 しかし、せっかくの日食もずっと観察できたわけではなく、ごく短時間だけ、あつい雲の合間から、ネズミにかじられたようなご尊顔が垣間見えるという程度にすぎなかった。そういうわけで、そのときからすでに予兆はあったわけだが、それから数日もたたぬうちに大雨となった。県内では数ヶ所で山崩れもおきていて、たいへんなことになっていた。

 雨がやんでから、近くの川まで行ってみたところ、すでに水かさこそ引いてはいたが、まだ濁った水がとうとうと流れていた。雨の激しかった時刻には、おそらく川に沿った遊歩道にまで水があふれていたのだろう。川原に繁茂する草の類もすっかり流れになぎたおされ、粘土のように細かな泥が一面にべっとりとこびりついていた。しばらく眺めていたが、残念ながら大きな桃は流れてこなかった。

 「司馬遷は生き恥さらした男である」 と書いたのは武田泰淳だが、その司馬遷が書いた『史記』 の西南夷列伝に、夜郎という名前の国の話がでてくる。場所はミャンマーやラオス、ベトナムと国境を接し、ミャオ族やイ族など多くの少数民族が住む、今の中国の貴州省や雲南省のあたり。時代は紀元前2世紀から1世紀、司馬遷を宮刑に処した当人である漢の武帝が統治していたころのこと。

 西南夷の酋長の数は十をもって数え、そのうち夜郎国が最大である。その西方の夷族はびばくの類で、その数も十ほどあり、そのうちてん国が最大である。てんから北にも、酋長の国は十ほどあり、そのうち、きょう都が最大である。これらはみな頭髪を椎の形に結び、田を耕し、村落をつくっている。...以上はすべて巴・蜀の西南の外辺に居住する蛮夷である。


 で、この夜郎国に漢の使いがはじめて到来したとき、夜郎国の王は 「漢とわが国とでは、どちらが大きいか」 と問うたという。司馬遷によれば、「道が通じていないので、てん王も夜郎候も、おのおのみずから一州の君主だと思いこみ、漢の広大さを知らなかったのである」 ということだ。ここから、広い世間のことをしらずに、自分がいちばん偉いと慢心している者の態度をさす、「夜郎自大」 という言葉が生まれたという。

 さて選挙が近くなってくると、ネット上もいろいろと大騒ぎである。あるブログでは、現在の自公政権を批判するついでに、「ソン・テジャクこと大作大先生率いる朝鮮カルト『創価学会』」 などというあきれたキャンペーンをやっている。

 公明党を批判するのなら、その政策と政治手法を問題にすべきである。創価学会を批判するのなら、その教義や社会的集団としての振る舞いを批判すればよい。「池田大作は在日朝鮮人出身だ」 などというネット上のあやしげな風説にのっかって、「創価=朝鮮カルトだ」 などと言い出すのは、おのれの排外的な差別思想をダダ漏れにしているにすぎまい。

 かのブログの主は、日頃から 「マスコミの嘘にはだまされないぞ!」 とか 「政治家や官僚にはだまされないぞ!」 などと、さかんに力みかえっているようだが、そのかわりに、9.11陰謀論からユダヤやフリーメーソンの陰謀論まで、ありとあらゆる陰謀論にどっぷりとはまり込んでいる。彼によれば、明治維新はフリーメーソンの陰謀であり、孝明天皇も皇女和宮の婿さんだった徳川家茂も、その陰謀によって殺された疑いがあるということらしい。

 それなりに長いはずの人生の中で、彼がどういう経験をし、その結果、今なにに腹をたて、なにに怒っているのかは知らぬ。だが、そうやって、世の中の様々な 「悪」 を体験し、その原因について考えているうちに、どうやら、あれやこれやの 「陰謀組織」 の存在に思い至ったらしい。だが、それでは、テレビで悪の組織 ショッカーと戦う、正義の味方 仮面ライダーや、黄色いマントをひるがえした月光仮面の姿に興奮していただろう、小学生の頃からぜんぜん進歩していないではないか。

 世の中に、邪悪な意思によって統率された、ただ悪意だけにみちた組織が存在しており、その隠れた意思によって、社会や世間の人々が操作されていると考えるのは、典型的なカルトの思考である。総選挙に出馬して、あえなく 「惨敗」 したオウムもまた、そのように考え、見えない強大な敵と戦うために、サリンだのVXだのという 「毒ガス兵器」 を開発し、銃の製造に手を出したのではなかったか。

 おのれを無垢で純粋な 「善」 とみなし、おのれの外部に純粋な 「悪」 が存在するというマニ教的二元論にもとづいた 「陰謀論」 的思考は、差別的で排外的な思考とも、きわめて親和的である。おのれがカルト的思考にどっぷりつかっておきながら、他人を 「カルト」 呼ばわりするとは、片腹どころか両方の腹が痛くなってくる(「片腹痛し」 の語源は、もちろん、「そばにいたくない」 という意味だが)。

 詐欺でも催眠術でも、自分は絶対に騙されないなどと思っている人間ほど、いざとなるところりと騙されるという。オレオレ詐欺にだまされるのが、世の中の動きに遅れた高齢者や、世間知らずの 「田舎者」 だけだなどと思っていたら大間違いだ。そんなにだまされたくないのならば、だまされないようにいろいろと学べばよろしい。「おれは絶対に騙されないぞ!」 などと力みかえったあげくに、最低最悪のがせねた(参照)にだまされ、踊らされていたのでは笑い話にもならない。

 「ものを知らぬ」 ことは恥ではない。ものを知らなければ、知るための努力をすればよい。恥ずかしいのは、「ものを知らぬこと」 を言訳として、「ものを知らぬこと」 に居直り、「ものを知る」 努力をしようともしないことだ。「論語」 には 「思いて学ばざればすなわちあやうし」 という言葉があるが、そこからただの 「夜郎自大」 までは一直線である。

 ヘロドトスの 『歴史』 には、現在のトルコ東部からイラン一帯を支配していたメディアと、トルコ西部にあったリディアの二つの王国の長年の争いが、日食をきっかけに和平に向かったという話がある。岩波文庫の注によれば、このときの日食は紀元前585年5月28日のものではないかということだ。

 「リュディア、メディア両軍とも、昼が夜にかわったのを見ると戦いをやめ、双方ともいやがうえに和平を急ぐ気持ちになった」 とヘロドトスは書いているが、それが事実であるならまことに喜ばしいことだ。

 先日の日食では、ガンジス川のほとりに集まった老若男女、善男善女のみなさんが、天を見上げて祈りを捧げている姿が映っていた。その姿は真剣そのものだったが、彼らとて、もはや日食ごときで、「世界の終わりだ!」 とまで思い込み、泣き叫びはすまい。

 暦もなく、天文学も発達していない時代であれば、いきなり太陽が暗くなり、昼が夜に変わったりすれば、それこそこの世の終わりかというような騒ぎになっても不思議はない。神の怒りを解くために、いけにえを捧げたりした時代もあったかもしれない。

 さいわいにして、日食は1時間もすれば元に戻るものではあるが、そのような不安が解消されたのも、いうまでもなく科学の発達と普及のおかげである。世の中には、「科学教」 などというものと戦っているらしき人もいるようだが、そういう勝手につくりあげた妄想に駆られて、風車に突っ込む前に、すこしはおのれの姿を省みてはどうだろうか。だまされないために必要なことは学ぶことであって、ただ力みかえることではない。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.07.29 05:41:46
コメント(3) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


ネットをやるとばかになる?   たんぽぽ さん
この騒動も収拾がついた感じですね。
(というより、ふたりの「き○ち」に、関心がシフトした感じ?)

「池田大作は韓国人だ」というデマが、
ほぼネットオンリーというのは、寡聞にしてはじめて知りましたよ。
(もっと広く言われているデマかと思っていた。)
「ネットをやるとばかになる」の、ひとつの見本かもしれないです。

そのむかし、わたしは、「コシミズは韓国・朝鮮に対する反感がある」
という主旨のことを書いたことがあったんですよ。
そうしたら、ヘンリー氏は、「コシミズは、韓国・朝鮮の人たちには、
同胞意識があるんですよ」なんて意味の反論をしていました。
そのとき、わたしは、「どこがだよ?」って思ったんだけど。
(2009.07.31 23:13:04)

Re:ネットをやるとばかになる?(07/28)   かつ7416 さん
たんぽぽさん
ヘンリー氏はもともとああいう人なので、なにを言い出そうと、いまさら驚きはしませんけどね。過激派の教祖だった太田竜がたどった道をそのままたどっているだけですし。

たいていの人はしょうがないなと思いながら見てんでしょう。しかし、彼を積極的に評価しているらしき人がいたり、そもそもなにが問題なのか、全然分かってない人とかがいたりするのは、あきれちゃいます。
http://www.n-yuki.net/blog.php?itemid=494
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20090726

「自End」とやらの内情は知りませんし、興味もないですが、下の記事でのooaminosoraさんの分析は当たっていると思いますよ。天木直人やら植草一秀やら、副島やら佐藤やら、誰かしら教祖を担がないと気がすまない人達というのはどうしようもありませんね。
http://funnyarome.blog82.fc2.com/blog-entry-402.html

城内実という人は、例の国籍法改正のときもあきれましたが、どうも長い浪人生活のせいで、どこかたがが外れてしまったような感じがしますね。もともと、性格的に難点があったのかもしれませんが。
(2009.08.01 02:41:55)

Re[1]:ネットをやるとばかになる?(07/28)   たんぽぽ さん
>ヘンリー氏は

今回も馬耳東風で、自分のブログを書いていますね。
わたしが批判したときは、きゃんきゃん怒っていたんだけれど、
いつのころからか、自分を批判する者は無視したほうがいいと、
開き直っちゃったみたいです。

>「自End」とやらの内情は知りませんし、興味もないですが、
>下の記事でのooaminosoraさんの分析は当たっていると思いますよ。

体質は、「水からの伝言」騒動の、「共感派」と同じだと思いますよ。
(というか、「共感派」も、一部重なっていますね。)
つぎのエントリも、結構当てはまると思います。
http://taraxacum.seesaa.net/article/123345239.html

>城内実という人は

例のポスターのこと、収拾をつけそこなって、
国籍法改正のとき以来の騒ぎになっていますね。
(それを、シンパたちが無批判だったり、陰謀論を持ち出して
かばおうとするのがなんとも...)
(2009.08.01 11:30:44)


© Rakuten Group, Inc.