「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」 リアリティが無いにも程がある
昨夜「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」を観た。原作は、「このミス」でトップテン入りを果たした米澤穂信氏の同名小説。残念ながら未読である。「時給11万2,000円という広告につられて集まった男女10人が、奇妙で危険な究極のゲームを繰り広げる」という設定は、なかなか面白い。しかしこの作品は、法治国家日本国内において実施する過激な“実験”について、まともな説得力を与えることを最初から放棄していると言わざるを得ない。参加者自身が、事前に死亡することもあり得ることに同意し、主催者の欺瞞工作に手を貸しでもしないかぎり、すぐに警察が動き出しそうだ。リアリティを持たせる設定の説明を割愛したのか、始めから無視しているのか分からないが、観る側にとっては、脳内補完しきれるものではない。さらに、何を主題として描きたいのか、焦点ボケボケで、どうにも中途半端なものになっている。一番気に入らないのは、ラストシーンだ。ネタバレになるので深くは触れないが、あそこでカバンを放り投げる演出は意味不明だ。ひょっとしたら、作り手が作品を放り投げたことを意味しているのか?とさえ思ってしまう。キャストは、藤原竜也さんをはじめ、綾瀬はるかさん、石原さとみさん、北大路欣也さん、武田真治さんなど、豪華で彼らの演技は見応え十分である。とくに武田真治さんの切れた演技は、特筆もので、こんなに巧い役者さんだったとは、知らなかった。それだけに、脚本、演出の拙さが際立ち、残念感が倍増するとは何とも皮肉だ。日本テレビ開業50周年記念作品となっているが、こんなのが「記念作品」で良いのだろうか?多分、原作ファンは怒っているに違いない。自分自身で観た映画・ドラマのレビュー(と言うより感想)を書いている「映画好き道産子サラリーマンの映画・ドラマ感想記」は、人気blogランキング に参加しています。この記事が気に入っていただけたらクリックをお願いいたします。☆【送料無料】 BD/邦画/インシテミル 7日間のデス・ゲーム ブルーレイ&DVDセット (Blu-ray) (通常版)/BWBA-F7216