切ないニュース 西伊豆・黄金崎公園での自殺
西伊豆の黄金崎公園展望台近くの、海に面した斜面から、60代くらいの男性が飛び降り自殺してしまったそうです。黄金崎公園は私が大好きな場所です。昨年もオットとここに行き、景色に見とれた場所です。しかし、あそこから飛び降りたら助かりません・・・。 この男性は、飛び降りる前に、しゃがみこんでいたそうで、それを見つけた観光客が見つけ、警察に通報、30人ほどで5時間説得を続けたそうです。男性は「癌の痛みが続いて耐えられない、死にたい」と言い、最後に「ごめんなさい」と言って飛び降りてしまったそうです。 「生きていればいいことがある」と説得したそうです。善意はわかるけれど、癌の痛みが強く耐え難い男性に、この励ましは空虚に響いたことでしょう。ではどう言えば説得できたのかと問われたら、私だったら答えに詰まってしまいます・・・。 私はある意味、スピリチュアルおたくですので、ものすごい苦痛に襲われたら、それはそれで意味があるし、その痛みは受け入れるのが正しいと考えています。そうなった時でも「すべてはうまくいっている」と唱えることの出来るような自分でありたいと思います。そう出来る強さが自分にあるかどうかは別にして、ですけど。そんなことを実行できるのはイエス様かお釈迦様で、そんな言葉で説得できるのはスピリチュアルおたくだけかも。 「その痛みも意味がある。すべてはうまくいっている」長い間、絶え間ない痛みに耐えてきたのに、その痛みがますます強まって、生きることが苦しすぎる人に、そんな説得をしたら、怒って即座に飛び降りてしまいそうです。 昔に比べ、癌の痛みのコントロールは、かなり進歩しましたが、それでもコントロールできない痛みがあるそうです。耐え難いほどの痛みが出ているので、もちろん末期でしょう。あとどのくらい耐えれば死ねるのかわからない恐怖と不安。想像すると、本当にお気の毒です。 5時間も説得を聞いていた彼は、いい人なのだと思います。何とか自分を死なせないようにと説得してくれる人たちに、申し訳ないという思いと、本当は自殺は正しくないという思いで、5時間も自殺をためらって、できることなら死なないでいようと思ったのではないかと感じました。でも、その5時間の間も、ひどい痛みが彼を襲ったのでしょう。 私は両親を癌で亡くしています。黄金崎公園の展望台あたりの歩道は、父の癌がわかってから景色がきれいなので、旅行で一緒に歩いた場所です。父もけっこうまだ脚力があり、母は健康だと思っていました。いい景色だねと父が言いました。母も嬉しそうに父を見ていました。そこから、癌の痛みに耐えかねた男性が飛び降りた・・・。何とも切ないニュースでした。