2006/05/29(月)16:38
情報を処理するより情報をとりだす
衛星写真,航空写真,風船を上げて撮った写真,これらに地表でのフィールドワークを組み合わせて,その土地の成り立ちを過去から現在への流れまで視野に入れつつ地図に作り込むことを仕事にしている畏友清水雅男さんが最近よく嘆くのは,近頃のひとは他人が記号化した情報を処理するのは得意だが,目に見えるものから情報をとりだすことができなくなったとのこと.そのことを頭に置いて以下の記事を読んでみます:
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20124787,00.htm
>>米テクノロジー哲学者、コンピュータの過信に警鐘
>>文:Daniel Terdiman(CNET News.com)
>>翻訳校正:尾本香里(編集部)
>>
>>2006/05/29 13:16
>>
>> サンディエゴ発--コンピュータはビデオゲームの創作や都市
>>環境のシミュレーションには強力なツールである。しかし人間
>>はマシンをコントロールし続け、結果が手に負えなくならない
>>ようにしなければならないと、テクノロジー哲学者のSheldon
>>Brown氏は述べている。
ブラウン氏が例に挙げているのはScalable Cityというシミュレーションソフト.新しい都市や郊外の環境のレイアウトを限られたスペース内にどうやったらデザインできるかを示してくれる.このシステムは、Brown氏によればフラクタルに類似している「L-curves」を利用して,未開発地の風景をデジタル表示し,それをカーブした道路や新築の家屋が建ち並んだ街で埋めてゆくことができる.
>> 空中写真のようなマクロ的観点からすると、このようなデザ
>>インは、与えられたスペースをできる限り効率的に利用したも
>>ののように見えると、Brown氏は述べる。
>>
>> しかし、ミクロまたは地表レベルの観点からすると、これは、
>>コンピュータシステムが人間に適した環境を理解できないこと
>>を示しているとBrown氏は警告する。Scalable Cityは、地域開
>>発において、土地を最大限に活用することを狙って設計された
>>アルゴリズムを使っても、建物があまりに近接して建てられる
>>ため、実際には居住できないような図面が出来上がる場合もあ
>>ることを示している。
人間にとってのその土地の意味を探るには人間がその土地を歩いてみるのがいちばんいい.ただそれが有効であるには,歩いてみる人間がまた生き生きと生活している人間でなくてはならない.それができないとシミュレーションプログラムのほうが人間よりずっと出来がいいことになりそう.