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先月末に越後島研一氏の「ル・コルビュジエを見る」という新刊が中公新書から出たので読んでみました.著者は前作の「現代建築の冒険」で近代日本の住宅史をごく少数の基本的パターンの遷移で捉えるという野心的な試みで読者を魅了しましたが,本書でも卓越した記憶力に支えられた構想力と表現力で,本質的に空間的な存在である建築を平易な言葉で解き明かすという困難な仕事に果敢に取り組んでいます. ひとことでいえば,これはル・コルビュジエのどこがなぜそんなに凄いのかを,16ページのカラー口絵を含む膨大な写真と文章で表現している本.新書には珍しく,見る本でもある. 第1章革新では1931年のサヴォワ邸まで, 第2章変貌では第2次大戦末まで, 第3章成熟では戦後をロンシャン教会堂まで, とル・コルビュジエの生涯を3つの期に分けて解説,最後の第4章では前川國男,丹下健三,安藤忠雄,伊東豊雄など何人かの日本の建築家への影響がまとめられています. 建築界の巨人を讃えるだけでなく,その作品の問題点も指摘しているのは立派. あまりぎくしゃくしたところがなく素直に読めるので,読みながら著者の思惑とは別に色々なことを考える余裕があります.(建築には全く素人の)僕が思うには,結局ル・コルビュジエという建築家はものすごく合理的な人で,目の前の問題(戦争による都市の破壊と復興とか)をあまり伝統というかそれまでのいきさつにとらわれずに,いちばん合理的に解決しようとすることができた.その結果が一見多様な(実際多様なのだけれど)スタイルの形態になっていったんじゃないだろうか. 僕には「第一次世界大戦によって破壊された街で,安価な住宅を、緊急かつ大量に確保するための(p.22)」ドミノ原理というのが非常に大切なものに思えて,サヴォワ邸なんかはドミノ原理を世の中に広く受け容れさせるための広告塔なのではないかという気さえします. 現代日本の建築家たちも,地震や台風による被災地の避難所や仮設住宅にもっと力を入れて,被災者のプライドを傷つけず,未来への希望を与えるようなもの,永住に繋がっていくようなものにしてくれてもいいのじゃないかと思いますね. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ワシのことを扱った本を載せてくれて感謝.しかしワシは本当に合理主義者なのかなと、しばし考え込んでおる.自分では、それ以前にヘソ曲がりなんだと思う.伝統とか、それまでのものとは正反対のものをやると満足なのじゃ.合理的な発想も、それほど徹底してやってるわけではないので、あくまで、そのヘソ曲がりの一部なのかな、なんて思うのだが.まあ自分のことは自分でもよう分からん.なんせもう120歳.
(2007.09.19 23:17:14)
あららオララーシャルルじゃないのそんなお歳には見えないわね日本語がすっかりお上手になっちゃって日本にファンが沢山居るんだから当然かしら東京の国立西洋美術館だって設計なさったんでしょ世界遺産に登録されるってホントかしらトレトレビアンねアンディが描いてくれたあたしの顔も展示してるのかしらあらないのセラヴィねあたしだってフランス語しゃべれるのイブに習ったからでもちょっとだけよLet's Make Loveですって凄いタイトルだわねやだわセンセって合理主義者でへそ曲がりだったのねイズムは中毒の一種だと言った人が居たけどあたしはヌーディズムから入って角を曲がったらアル中だったなんてうそうそ森美術館の展覧会月曜日までなんですっておとといは皇后陛下も見学なさったとかトレシックだわねセンセもお話なさったのかしらあたしこんどお誕生日に唱ってあげようかな息が切れたわ
(2007.09.20 18:30:25)
君ももう80歳を超えてるのに、よく息が続いてしゃべるね.イブッって誰だよ.でも君たしか「イブの全て」にちょっと出てたけどそれかね.ただせっかくなんだけどワシはジョセフィン・ベーカーはよく知っとったが、君とは会った記憶がないな.だいたいアメリカ人は俺に冷たかった.国連ビルのときもひでーめにあったしね.じゃあまた
(2007.09.20 23:28:59)
お黙りjasje●あなたあたしのシャルルをばかにしてるでしょ彼はイブに妬いてるだけじゃないのあたしは多才で文化的なおとこが好きなのよ「誰もが創造的であることに憧れる。そしてその例を建築の世界に見出そうとするなら、まずル・コルビュジエの名が挙がる」って越後島研一先生も書いてるじゃないの.あたしだって本くらい読むのよシャルルったら絵も描いたし「生涯にわたって画家でもあり、絵画での追求を、建築の発想源とした」そうじゃない「豊満な女性像が目立つ」ころだってあるのよモデルにしてもらいたかったわんうまれたばっかりだったけどシャルルにはあたしの未来の姿もわかったのかしら
(2007.09.21 10:04:41)
MsMMさん,
>あなたあたしのシャルルをばかにしてるでしょ め,滅相もございませんよ. 越後島研一氏の本を何冊か読ませていただいたおかげでル・コルビュジエ先生のすごさがだいぶ理解できるようになりました.ほとんどの提案が採用されない中,次々と新しいプロジェクトを企画していく姿には励まされるし敬意を表します. (2007.09.21 15:40:24)
シャルル、ってそりゃ僕の本名だけど、そんなに慣れ慣れしくされるほど君とは親しくないよ.それにシャルル・ボワイエと勘違いしているとかはないよね.俺あんないい男じゃないよ.でもまあ、普通のアメ公みたいに、チャールズ、なんていわないだけいいが.
(2007.09.22 11:24:47)
皆様で盛り上がっていただき深く感謝申し上げます.まさかマリリンに引用していただけるとは予想だにしておりませんでしたので感動しています.しかし81歳のマリリンさんが、老眼鏡かけて、慣れない日本語の読んで下さったとは、想像しただけでも涙、、
(2007.09.22 11:30:05)
バハマ諸島のナッソーでラルゴとボンドの板挟みになった時、私はドミノ構造の原理を理解したのだった。
(2007.09.22 14:19:40)
あらまた新キャラクターだわ賑やかなこと
(2007.09.22 14:26:33)
jasjeったらなにもそんな堅いこと言わないでもいいのにばかみたい
(2007.09.22 14:48:54)
それって要するにこのワシが実在しないということか.確かのさっき出てきたえちごじまというのは偽物のようだな.文が下手だし.しかしこのル・コルビュジエは実在しておるぞ.おれが「アッ」て叫ぶと、このブログは全て消えてしまうほどに実在している.
(2007.09.23 00:43:56)
まあシャルルそれって実存的苦悩とかいうものかしらすてきあなたって本物のフランス人になっちゃったのね
(2007.09.23 13:30:06)
マリリン、肉体派女優なんだから無理してジツゾンなんて慣れない言葉を発音すると舌噛むよ(失礼)、僕はそんなややこしいこと言ったわけではない.ブログって誰かの夢の中の出来事みたいだから、建物が歪んだり道路面が話しかけてきたりするんだ.その誰かが、「アッ」って叫んで目が覚めたら、一切何にもなくなる.でも僕は消えないよっていうことさ
(2007.09.23 18:09:49)
あたし女優だったのかしら睡眠薬のみすぎて夢を見てるみたいだったあなたとこうしてお話ししてるのも夢みたいだしjasjeが偽物よわばりしてたけどあたしたちは本物であっちが夢だったのねよかったシャルルったらほんとに頭がいわノーマンみたい
(2007.09.23 20:45:11)
僕はアメリカが嫌いだから、君の交友関係は一切知らないんだけど、ノーマンで誰だい?、君が結婚していた野球選手や劇作家とは違うようだし、大統領とも別人のようだね.この僕と同等に並べるんだから、恐らく脳満足とか能万力とかいう名? 中国人かな?
(2007.09.24 11:00:42)
アメ公はキライなんてチョイ悪ぶってるけど可愛いことあなたの場合アメリカにとっても憧れてたのになびいてくれなかったので拗ねちゃったのねわかるわ男女の仲ではよくあることなんですものあたしにだって関心あるくせにどうでもいいようなふりするじゃないのお仕置きしてやろうかしらノーマンのこともう一息がんばって検索してくれればクラスナとかロステンとかたくさん見つかったはずだけどあたしに言わせればメイラーが一番だって彼とっても肉体派なの「一分間に一万語 -リングの死闘と新実存主義」書いたしねあなたの作ったおうちものびあがったり腕を突き出したりとっても身体的じゃないことシャルルって肉体派建築家なんだわ
(2007.09.25 18:21:48)
そういえば,「伽藍が白かったとき」ではアメリカに対する気持ちを「嫌悪と愛情、それ以上でもなければ、それ以下でもない」と語っていますね.
(2007.09.28 16:13:18)
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