カテゴリ:ワイン四方山話
小難しいタイトルですが、北海道の加工食品に道庁が「お墨付き」をあげようという制度です(詳細)。
この制度の対象に新たに「ワイン」が追加されました。それに伴う北海道産ワインの消費者官能検査に参加する機会を得ました。どうやらソムリエ協会会員の中から無作為で選ばれたようです。 当日、検査に出されたのは1品だけ。会場での説明によると「各ワイナリーの準備が間に合わなかった」ということです。でも実情は違うようです。これは後述します。 出されたワインは「赤」。テイスティング・シートを渡され、お約束の「外観」「香り」「味わい」など20項目くらいだったでしょうか、記入していくというモノでした。 その1品、私の個人的感想としては、熟成感があり、酸味は強く、しかし香りは弱く、余韻も酸が前面に出て渋みや甘みに難あり・・・でした。事前に「2002年産で1年間、樽熟成したもの」との説明がありました。私は最初は、総合的に「ピノ・ノワールか?」と思ったのですが、それにしても香りの華やかさには欠け、独特のベリーのような香りと味わいも弱いと思っていました。 そして。 その後、様々な情報を聞くことが出来た結果、だいたいそのワインの「正体」が浮かび上がってきました。恐らく(あくまで推測です)、「十勝ワイン・清見・2002」ではないかと。・・・来月には公表されるので一生懸命邪推することでもないのですが。 そうだとすれば、山ブドウ系品種は意識して飲んだことなかったので判るわけがなく、でも逆に「山ブドウとしてなら充分に美味しい」という印象です。 以下は私の全く個人的な意見(私見)です。 さて、この認証制度。個人的に、試みとしては、そしてまだ始まったばかりとしては、賛同は出来ます。でも、この形のままで「ワイン」の認証を続けていこうというのなら、賛同して出品するワイナリーは少ないのではないでしょうか。単純に言えば。認証されることによる「メリット」がなさすぎます。他の食品、ハム・ソーセージ・味噌などは、ある意味「生活必需品」ですから一般消費者へのアピール材料になります。しかし、ワインなどの「嗜好品」は、この認証によって「格」が上がることは考えにくい制度です。 良いか悪いかは別にして、長野県では同様の制度の審査の際、審査員に田崎慎也氏を入れて制度に「権威」を持たせることで、出品者にへのメリットを訴求しています。 北海道の制度では、現時点では、そういう「権威」的なモノはありません。専門審査員(私はあくまで消費者審査員です)のメンバーは明らかではありませんが、逆にそれを明らかにしたり、制度の審査をもっと厳格にするなど、ある種の「権威」がないと「嗜好品」では認証のメリットが少ないように思うのです。 来年の2月か3月には再度、審査があり、その際にはもっと多くの北海道産ワインが出品されると説明されました。その時に期待しています。私自身、「北海道のワインを応援したい」という気持ちは大いにあります。疑問をちょっと抱きながらも、審査に参加したのは「北海道のワインの一助になれば」という思いからです。その前に、認証制度が真の意味で「北海道のワインを高める」制度になって欲しいと願うばかりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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