99対39 【オイル・サーディン丼】
これは一寸びっくり。オーストリアを正直侮っていました。99%の食料自給率。足りないのは鶏肉(68%)、果物(64%)、そして野菜(60%)。豚さんは丁度皆に行き渡り、穀物は一寸多め(104%)、牛乳は128%、余って困る位なのが砂糖(135%)と牛肉(140%)。これは2007年の調査結果です。何故いきなりこんな事を切り出すかと言うと、今ラジオで日本の食糧自給率が遂に40%を切ったと聞いて慌てたからです。東京に至っては1%。中国やロシアの大国の中で、日本国民と殆ど同じ経済力を持つ人の数が急増しつつあるので、日本人が食料を購入したくても、買えなくなる、若しくは食料の値段が更に急騰する事は避けられない…そうなると、自国で作れる食料に頼らなければならないのに…39%です。面白いなと思ったのが、農林水産省ホームページからダウンロード出来る「食料自給率計算ソフト」です。まぁ、本当にこれをいちいち記入して料理している暇なんかあってたまるか…と言うのが本音でしょうが、一体何が何処から来るのだろう?と言う事を考える習慣を付けるのは、決して間違いではないかなと思います。不思議なもので、オーストリアのスーパーで果物を買おうとしても、なかなか国産物が入手出来ないなと思っては居たのです。肉はしきりに「国産」を主張しているのに、野菜も果物も「国産」の表示が非常に少ない。鶏肉は旧東欧圏から、酷い状態で飼育され、杜撰な方法で処理された物がどんどん流れ込んでくると言う報道があったのですが、国内では鳥の飼育方法に就いて随分厳しくなってしまったから…安い鶏肉に手が伸びてしまうのでしょう。なんて言いながら、今日の料理は自給率ゼロに近い食事…。あるお友達に教わった「オイルサーディン丼」。これは絶対に作ってみたかったのです。これは簡単過ぎて、美味し過ぎ。オイルサーディン(今回はフランス産)の缶をフライパンにそのまま空け、じゅくじゅく言い出したら醤油と砂糖一つまみ(お…これも国産)で煮詰め、ご飯(仕方無いからイタリア産)に盛って、エシャロット(これは…国産)を輪切りにして散らすだけ。森瑶子さんのレシピだと言う事ですが、私自身は未だ読んだ事がありません。しかし、これだけではお野菜が足りないよね。スペイン産の大きなお茄子とやたら長くて太いインゲン(?)を何とかしましょう…と良く見ると、袋に国産って書けないからEUの旗マークが付いてる。確かにEUで一からげにしたら何でもカバー出来そう。茄子は小さなオーブン・トースターでガンガン焼いて皮剥き、大量の鰹節と生姜(エジプト産)の摩り下ろし、醤油と混ぜて冷蔵庫へ。特大インゲンは端だけ切って鍋に塩をざっと多めに入れて塩もみ、少ない熱湯を注いで加熱後、沸騰して余り時間を置かずに笊に広げて冷ますだけ。食べ易い大きさに切って、おつまみの様にぽりぽり食べられます。(今日は一寸柔らかく煮過ぎちゃった…)この茄子、日本の物に比べて身がすかすかな感じがしたのだけれども、焼茄子にしてもお利口さんでした。それにしても、国産だと信じて買った鰻が国産じゃなかったり、農林省が幾ら自給率と叫んでも、買手が信じて買えない状態では…先が思いやられますね。