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カテゴリ:開発・環境問題
今日は、Tom's of Maine(http://www.tomsofmaine.com/)という会社のプレゼンテーションにいってきた。
こんなデザインの品々を見たことがありませんか? ![]() 1970年にTom ChappellとKate Chappellという夫婦が作った天然素材のパーソナルケア用品(シャンプーや歯磨き粉など)を作っている会社です。 Body Shopみたいなノリのブランドで、アメリカの天然素材パーソナルケア市場では圧倒的なシェアを誇っているはずです。 原料はすべて植物性で、環境にやさしく人体に害を与えない商品を、リサイクル素材で作った容器に入れて販売するという徹底したポリシーを保っている会社です。 COOがハーバード出身の人で、彼が会社の理念やビジョンなんかを熱く語ってくれました。 基本は、「これからはLOHAS(注1)がアメリカを制覇するぜ!」、というメッセージで、日本じゃとっくにはやってるよ、というつっこみを入れたくなったものの、 すごいなあと思った点もいくつかあった。 そのひとつが、会社は税引前利益の10%を必ず、環境問題や貧困削減に携わるNGOに寄付をしていること。 体に優しい商品を提供して消費者を幸せにする、ということ以外に、社会全体をよりよいものにしていくこともmissionのひとつとして考えたいとのこと。 でも、税引前利益の10%ってかなり大きくないか? Tom's of Maine社は、ずっと未上場で、昨年コールゲート(アメリカの巨大歯磨き粉会社)に買収された。 でも、仮に上場していたら、どういう反応になっていたんだろうなあ。 いくら社会のためといっても、10%もマージンを犠牲にしていたら、投資家にぶったたかれるんだろうなあ。。。 で、僕がこの会社の経営者だったら、どうやって投資家を説得するか? かなり屁理屈だが、ファイナンスの授業でやっているMM理論(注2)と負債のTax Shieldの考え方を用いて考えてみた。 もっていきたい結論は、「会社のステークホルダーが世の中全体とすると、NGOへの寄付は企業価値を増大させる」。(うさんくさ。。。) 今、A社とB社という二つの会社があったとします。 二社とも、営業利益が100ドル、金利費用が10ドルで、A社は毎年10ドルをNPOに寄付しており、B社は寄付はしていない。 実効税率は40%。 そうすると、二社のPLは次のようになる。
で、二社のステークホルダーの取り分は次のとおり。 ここでは、ステークホルダーに債権者と株主に加えて、「社会」というのを加えるのがミソ。
おおーー、なんと、NPOに寄付しているA社のほうがステークホルダー全体の取り分が大きいではありませんか! なんか、世の中のためになっている会社が最終的には企業価値が高いんだ、というのを誰か理論的に説明してくれないかなあ。
注2) モジリアーニ=ミラーの理論ね。舌かみそう。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 30, 2007 01:53:38 PM
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