2025年04月の記事一覧 | 高知県で漁師になる

潜行板の調整結果を考察してみた

昨日の土佐湾は湾内全体に赤潮が発生しており曳縄漁には最悪の状況であったが、水温が19℃弱あったので取り合えず調整後の潜行板仕掛けを出してみることにした。この日の日の出は5時半前後。5時ごろが勝負と思いつつも「もしかしたら調整後の潜行板ならもっと早い時間から釣れるかもしれない」という思いがあったので4時半頃からブイを旋回し始めた。行った潜行板の調整は「潜行深度の調整」だ。潜行板先端側のネソ糸取り付け位置を潜行板の頂点に数ミリずらすことにより、潜行板にかかる水圧が大きくなり深く潜行するようになるのだ。やはり釣れない時間は釣れないものだ。5時まで全くアタリは無かった。5時になると潜行板が浮はじめヨコ漁がスタートした。その後6時ごろまで調整後の潜行板を中心にポツポツとアタリが続き十数キロ程が釣れた。タコベイトの色もカツオ系の色からヨコ系の色に変えていたので、潜行板の調整だけが釣果の変化に関係している訳ではないのだが、この最悪の潮で燃料代位は釣れたのでどうやら潜行深度の調整はうまく行ったと言って間違いないだろう。この調整後の潜行板、たった数ミリの変更で潜行板に掛かる水圧は1.5倍程になる。船速をデッドスローにしても3枚の潜行板を回収するのに大変苦労した。この様にして徐々に仕掛けを調整していくのだろう。取り合えず行っている調整の方向性が間違っていない事にホッとした。だが、これ以上潜行板の深度を下げても今度は魚がいる水深より下に行ってしまう可能性があるので、深度の調整はこれで止めておくのが良いと思われる。調整残としてはあまり喰わないヒコーキ仕掛けが2本あるので、ヒコーキとタコベイトの距離を中心に調整を進めてみることにしたいのだが、これはカツオが釣れ始めてから着手することにしよう。また、今回は11号の潜行板の潜行深度調整のみを行ったが、まだ潜行板後方上部に取り付けているゴム板の大きさの調整を残している。現在はこれもまたネソ糸付きの板を買ったときに付いているデフォルトのゴム板をそのまま使っているのだが、恐らくゴム板の横幅が長くて潜行板の横振り幅が狭いはずだ。ヨコ狙いの場合はこれで良いのだが、カツオ狙いの場合はこのゴム板の横幅を最小限にして潜行板の横振り幅を最大化する必要がある。ゴム板を短くし過ぎると潜行すらしなくなってしまうのでこの調整が最も難しいのだが、最高の釣果を上げられるようになるために調整を進める予定である。

2025年の黒潮大蛇行は土佐湾に異常をもたらしている

今年は例年にも増して黒潮が土佐湾から遠く離岸している。このままだと4月末になっても黒潮牧場１２号ブイ、２０号ブイ辺りの海水温は低いままとなることが予想されている。例年この時期は野釣りでカツオが狙えるのだが、今年はカツオがほとんど釣れず２キロ前後のヨコ（クロマグロ）が良く釣れる。このヨコ、毎年（４月１日～翌年３月末）の漁獲制限があるのだ。今年は４月１６日時点で既に小型魚の採捕状況は制限の５０％に達している。このままのペースでヨコが釣れ続けると、夏のヨコの新子漁の時期には既に漁獲制限に達してしまい採捕禁止命令が出て新子漁には出られなくなる。代わりにメジカの新子でも釣れてくれれば良いのだが、メジカは釣れる日と釣れない日がある為、収入が安定しない。この時期できる他の漁はシビ漁、ケンサキイカ漁（８月前後のみ）に限られる。今年はケンサキイカ漁をやりながらシビ漁にもチャレンジしてみるのもいいかもしれない。とにかくこの黒潮の大蛇行、早く解消してくれないだろうか。今は「潜行板の調整」でより釣れるような漁具の調整を進めている。しかしながらこの低水温で漁は出られないので、調整結果を考察することができず非常に困っている。

2024年の曳縄漁の振り返りと2025年の目標

去年は天候が許す限り曳縄漁へ出続けた。しかし初夏、カツオがブイに付いたころから同じ漁港に属する他船との漁獲量に大きく差が付いたのだ。私の船だけ朝方少し釣れ、日が高くなると全然釣れない日々が続いたが、他船は日に100Kgほど釣っていたのだ。漁法も仕掛けも一昨年と変わらない。一昨年は同じ仕掛け同じ漁法でその時期良く釣れていた。私のこのブイでの漁獲量減少の主たる原因は良く分からない。船速が原因なのだろうか。いや、基本ブイでの操業は他船との距離を一定に保って衝突を避けるため、他船と大きく異なる船速になることはないと思われる。もう一つの原因は出港時間の遅さにあるかもしれない。お仲間船よりは少し早く出ていたつもりだが、日の出前の数時間は潜行板のみである程度のビンの漁獲量が見込めるのだ。これを逃してしまっていたのかもしれないので出港時間を早めることにしよう。また、日が上がってからの飛ばし仕掛けでの漁獲量を増やさなければならない。これは仕掛けを少し改良しながら漁獲量の変化を見ていくしかない。ブイでの操業で年間の水揚げが決まると言って間違いない。今年はあらゆる手を尽くし、来るブイでのカツオ漁獲量を増やす。また、今年は安定して量が釣れる様になったケンサキイカ漁を頑張る。とにかく稼げる時期にしっかりと稼いで所属漁協内での漁獲量上位を目指す。