|
カテゴリ:自分あれこれ
昔むかし・・・と言いたくなるほどの昔。
今から、14年ほど前に、たった一度だけひとり旅をしたことがある。 そのころ、仕事もいまひとつ気乗りがしなく、 好きだった人ともうまくいかず、 なんだか、休日を予定もなく、家でぼーっと過ごすことがとても辛かった。 それで、こういうときは、俗に言う「傷心旅行」がぴったりだと思い立ち、突然、長野県は安曇野に向かった。 10月もおわりの頃だったので、紅葉も終わりにさしかかり、山は雪が降るのを待っているようなかんじだった。 大学のころに一度泊まったことのあるペンションに突然行ってみると、シーズンオフということもあり、宿泊することができた。自分以外の宿泊客は一組だけ。 オーナー夫妻は、よかったらこっちで食べない?と家族のテーブルに私を誘ってくれた。 食事も美味しかったし、ひさしぶりに会った関西出身のオーナー夫妻との話も楽しかった。 翌日は、雨の安曇野を歩いて、近所にある美術館を散策した。もともと、それほど絵画や彫刻に興味があるわけではない。安曇野で時間をつぶすには、それくらいしか思いつかず・・・。結局、お昼ごろには早々に安曇野をあとにし、京都に帰る電車に乗った。 帰りの電車の中で、岐阜あたりを通り過ぎるときに見たみごとな紅葉が今でも鮮明に自分の記憶に残っている。 岐阜の紅葉を電車の窓越しに見て思ったのは、 ほとほと、自分は一人旅には向いていない人種だということ。 例えば、信じられないほど美しい紅葉を見ても、 「わー、きれいやなあ!ほら見て」 と話かける相手のいない旅。 最高に美味しい食事を食べてもその感動を伝える人がそばにいない旅。 そりゃ、一人旅どうしの出会いや、地元の人とのふれあいもあるだろう。 でも、私には、誰かと一緒の時間を過ごしてこそ、旅は素晴らしいものになるとしか思えない・・。 一人旅はもうコリゴリということで、一人旅は私の人生の中でたった一度ということになってしまった。 とはいえ、今や一人になる時間もままならない日々を過ごしていると、 「あー、一人旅なんて贅沢は言わないから、一人になる時間を私におくれ・・・!」 と言いたくもなるんだけど・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[自分あれこれ] カテゴリの最新記事
|
|