2004/10/13(水)14:59
「ぼくはもう絵を描かない!」
うちの息子は字を書くのも苦手だが、それ以上に苦手なのが絵を描くことだ。
小さい頃はそれでも、歌を歌いながら、なぐりがきを楽しんでいた。
形がうまく描けなくても色で楽しんでいたし、大好きな電車になったり、車になって、自由に紙の上を走らせていた。
保育園の4歳児クラスだったある日、お迎えに行ったら、
いつもは園庭で遊んでいるのだが、産休中の担任にそろそろ赤ちゃんが生まれるので、
部屋でお祝いのカードを描く練習をしているとのことだった。
部屋へ行ってみると、子どもが何人か小さい画用紙に絵を描いていた。
ひとりの女の子が「こんなぐちゃぐちゃの絵、A先生はもらっても嬉しくないよ!」と、息子に向かって言った。
私に気が付いた息子は何も言い返さず、だまって道具を片付け、リュックを担いで私と一緒に部屋を出た。
その頃の私は情けないことに何と言っていいのか分からず、戸惑うばかりだった。
家に帰って最初に息子が言ったことが「ぼくはもう絵を描かない!」
それから家では絵を描いて遊ぼうとしなくなった。保育園や学校では仕方なく描いていたのかな?
心に残る言葉というのは、良い言葉だけじゃない。
沈殿していて、かき回すと濁ってしまう言葉は、いつまでも消えないものですね。