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カテゴリ:オーディオ
プロジェクト「その7」の最後の方に以下のとおり書きました。 >ということで、Phase Tech T-3とHighphonic HP-102MXをinput側、output側のRCAケーブルを抜き差しして使い分ける手間を惜しまないほどの差異はなかったという結論です。 カートリッジをステレオ用のDenon DL-103、モノラル用の同 DL-102と使い分け、それぞれに対応して ステレオ用 Phase Tech T-3 モノラル用 Highphonic HP-102MX と昇圧トランスを使い分ける場合、 ・トーンアームの出力ケーブルを差し替える(昇圧トランスの入力端子側) ・アンプへの入力ケーブルを差し替える(昇圧トランスの出力端子側) 必要があります。これは結構面倒くさい作業です(苦笑) 前者は2本のトーンアーム又は2台のレコードプレイヤーを使っていれば必要ない作業です。後者はアンプのPhono入力が2系統以上あれば必要ない作業です。 が、どちらも私のオーディオシステムにはない環境です。 この差し替え作業を億劫に思わないだけの、モノラル専用トランスの音質優位性があれば良かったのですが、期待したほどではなかった(詳細は「その6」参照) ということで、某オークションで程度の良さげなFRのFRT-4の中古品が出品されていたので、応札したら目出度く落札されました。 落札価格は当面内緒にしておきましょう(笑) FR(Fidelity Research)のFRT-4 https://audio-heritage.jp/FIDELITYRESEARCH/etc/frt-4.html 本日、商品が届いたので動作確認をかねてモノラルレコードを何枚か聴きました。インピーダンス切り替えスイッチ、入力切り替え(3系統あり)スイッチ、昇圧、再生音、ノイズ(ハム)などに関して不具合はなく、かなり程度の良い中古品でした。外観もかなりきれいでフロントパネルに微細な打ち傷がいくつかあるだけです。これは掘り出し物ですなぁ~~ 今日はモノラル専用カートリッジDenon DL-102しか未だ聴いていません。FRT-4は入力インピーダンスをPASS(昇圧なし)、3Ω、10Ω、30Ω、100Ωと4種切り替えられます。DL-102を使って、PASSから3Ω、・・・、100Ωまで順次切り替えていくと、当然ながら100Ωの再生音が最も良い音になります。PASSではかなりスカスカの音です。 で、一番の注目点である100Ωでの再生音がDL-102専用のHighphonic HP-102MX使用時の再生音と比較してどうかです。 私が所有するモノラルレコードの中で比較的音の良い ・Miles Davis/ Bags Groove/ Prestige(国内盤 東芝EMI) ・Miles Davis/ and the Modern Jazz Giants/ Prestige(国内盤 東芝EMI) を聴いてみました。どちらもThelonious MonkがPiano弾いているA面のみ。 HP-102MXの再生音は記憶にある音で、それとの相対比較です。実にいい加減な印象評価です。高い金を出して買った新しいトランス(年代物の中古品ですが・・・)なので、こちらの音が良いと思いたいバイアスやプラシ-ボ効果の影響は多分あるでしょう。 結論としては、 ・FRT-4(100Ω)の再生音はHP-102MXの再生音よりも私の好みだ。 ・ブラインドテストを10回行って10回間違えずに判断できるほどの顕著な違いは多分ない。でも、半分くらいは当てられるかもしれない(オイオイ) それって、あてずっぽでも100回やれば50回くらい当たるやつじゃんか。2択なんだから。 ・中域~高域にかけて、FRT-4の方が若干華やかな音になってる印象がある。とは言っても特定の帯域だけを強調しているような感じはしない。まぁ、アンプじゃなくトランスなんで当たり前でしょう。 ・低域については、HP-102MXとの差異がそれなりにあるように思える。上記のMiles DavisのレコードのBassはPercy Heathなんですが、そのBassの音の音階がはっきりし弾むような感じ、ビビッド感がFRT-4には感じる。このレコードの極めて有名な逸話ですが、Miles Davisが自分がTrumpetのソロをとってる際にはバックでPianoを弾くな!と大先輩であるThelonious Monkに命令し、Monkが心中穏やかならずだったSessionです。だから、段々と腹が立ってきたMonkが自分のソロの場面でPianoを弾くのを途中で止めてしまう時間が30秒~1分くらいあります。その場面ではPercy HeathとDrumsのKenny Clarkeだけが演奏しています。この場面ではBass音が主役です。ここでの再生音はFRT-4の方が(明らかに)良い音だと思います。 てなことで、入力・出力ケーブルの差し替えが必要ないFRT-4を常用トランスにしたいと思います。 Phase Tech T-3とHighphonic HP-102MXを売却するかどうかはじっくり思案しましょう(笑) なお、FRT-4の購入価格は上記2種のトランス購入価格の合計と概ね同じくらいです。
【2021/12/05 22:55 加筆・修正】 記事の主題と関係ないことですが、"Miles Davis/ Bags Groove/ Prestige" も"Miles Davis/ and the Modern Jazz Giants/ Prestige"も非常に素晴らしい名盤ですなぁ。Miles やMonk やMilt Jackson が素晴らしいのは当然ですが、BassのPercy Heathの安定感があり、かつスイングするBassが素晴らしい。MonkがPiano弾くのを止めたBassとDrumsだけの演奏も真に素晴らしく、MilesがMonkに「おい、モンク(師匠)、ちゃんとピアノ弾いたらんかいや!」てな感じで「タラッラッ、タラッラッ、タララ~~~~」とTrumpetを短く吹くとこも素晴らしい。 余談ですが、さっきWhiskyを飲みながら ・Billie Holiday Twelve of Her Greatest Interpretations/ London(国内盤 キング) のB面(有名な「奇妙な果実」(Strange Fruit)が含まれる面)を聴きました。 日常的に聴きたいと思う音楽ではないけど、やっぱりBillie Holidayの出来の良いLPの歌声は凄いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/04/04 02:17:32 PM
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