車の排出ガスと排気ガスの違いとは?環境に配慮した低排出ガス認定車!
こんにちは!チェンジニアのko-heiです!!皆さん自動車って、自分の好きな場所へ自由に行き来できる便利な乗り物ですが、地球環境や人体へは、悪影響を及ぼす危険性がある事はご存じかと思います。特に昔の車は、人体へ悪影響のあるガスが出やすかった為、法律(道路運送車両法)により、厳しい基準を設け、できるだけ排出されるガスが、クリーンな状態になるよう努めています。そんな状況の中、新型で登場する自動車には、このようなステッカーが貼り付けられているのを見た方も多いのではないでしょうか?このステッカーはいったい何なのか?そして、排出ガスとは?排気ガスとは?今回はこのような話を通して、「人体への影響や環境汚染とクルマ」について、解説していきます。それでは、どうぞ!!1.低排出ガス認定車制度と燃費基準早期達成車制度2.排出ガスと排気ガスの違い3.自動車から排出される主な有害ガス4.排気ガス以外の除去方法5.まとめ1.低排出ガス認定車制度と燃費基準早期達成車制度まず自動車に貼り付けられており、皆さんも見た事があるであろう、2つのステッカーについて解説してきます。・低排出ガス認定車こちらは低排出ガス認定車制度により、燃料の種類を問わず自動車排出ガスのクリーン度について、性能面から示す技術的指標に適合している事が認定された車の事です。はい!よくわかりません!という方の為に、分かりやすく解説しますね。通常、自動車というのは、ガソリンなどの燃料を燃焼させる事で走行していますが、燃焼する事により、どうしても人体に悪影響のあるガスが排出されてしまいます。ただそのままにしておくと、環境の悪化や人的な被害が発生する恐れがある為、法律により、排出してよいガスの量を定めているのです。この法律を、道路運送車両法と言います。この法律は、何度かこのブログ内でも紹介させていただきましたが、公道を走行する車が守らないといけない法律でしたね。 シートベルトデータ改ざんと道路運送車両法の関係についてはコチラこの法律内には、車から排出しても良いガスを指定して、その数値までしっかりと記載されています。公道を走行している車は、この基準に適合している為、人体に悪影響が出る事はほとんどありません!その点は安心してくださいね。そして低排出ガス認定車とは、その時々(平成17年や平成30年など)で指定された数値よりも、一定以上の割合で数値が良かった車の事です。つまりこのステッカーが貼り付けられているという事は、クリーンな自動車だと言えます。・燃費基準早期達成車自動車燃費性能評価・公表制度により定められた、燃費基準を達成している車両の事です。こちらは道路運送車両法とは異なり、国土交通省が公表する燃費基準に早期達成しているかを評価するステッカーです。このステッカーが貼り付けられているという事は、燃費の良い自動車だと言えます。しかし、何年の基準かによって性能は変わる為、参考程度で捉えていた方が良いでしょう。2.排出ガスと排気ガスの違いここまでの話の中で、「排出ガス」というワードがよく出ていましたが、皆さんが車に対して思うガスって、「排気ガス」と呼ぶことの方が多いのではないでしょうか?この排出ガスと排気ガス。一見、同じように思えますが、実は明確な違いがあるのです。①排出ガスこちらのガスは、自動車から排出されるすべてのガスの総称を言います。内訳としては、・排気ガス・ブローバイガス・燃料蒸発ガス・その他これらが主な排出ガスになります。ブローバイガスとは、エンジンの燃焼で欠かせない燃焼室から、吹き抜けていったガスの事です。通常は、燃焼室で爆発が発生し、燃えたガスを排気管に通します。しかし、圧縮時の圧力や、燃焼時の圧力により、燃焼室のすき間から、若干のガスが漏れ出る事があります。これがブローバイガスです。 ガソリンエンジンの燃焼に関する記事はコチラ燃料蒸発ガスはとは、燃料タンク内に溜まっている燃料(ガソリンなど)が走行などの振動により、徐々に気体(ガス)になったものです。イメージしやすいのは、給油口のキャップを開けた時に、プシューとガソリンの匂いがする事があると思いますが、まさにあれが燃料蒸発ガスです。・排気ガスこちらのガスは、排出ガスのうち、排気管を通り、マフラーから排出されるガスの事です。排気管を通るガスは、排気ガスを浄化する装置を通り、マフラーから排出される為、基本的には人体に影響しないガスとなっています。このように排出ガスと排気ガスは明確な違いがあり、法律では排気ガスだけではなく、排出ガスを削減するよう法律を定め、各自動車メーカーは基準を満足するだけでなく、それ以上の削減を実施しているのですね。そういった自動車に低排出ガス認定車のステッカーが貼られているのです。ぜひ皆さんの自動車も確認してみてくださいね。3.自動車から排出される主な有害ガス自動車から排出されるガスには、どのような成分があるのでしょうか。それらを解説します。・二酸化炭素(CO2)皆さんもよくご存じの二酸化炭素です。人間も空気中から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出していますが、自動車も燃焼により、二酸化炭素を排出しています。こちらは、人体には無害な物質ですが、地球温暖化となる温室効果ガスの役割を果たしているので、地球規模で言うと削減の必要性がありますね。・一酸化炭素(CO)完全燃焼ができなかった場合に生成される物質で、人体に悪影響があります。よく火事が起きた際に、「一酸化炭素中毒で、、、」というニュースを聞きますよね。こちらは排出できる基準値が定まっています。・炭化水素(HC)こちらは、燃料蒸発ガス(生ガス)の事です。ガソリン臭いと思ったらこの炭化水素を吸い込んでいる可能性があります。分かりやすいのは、給油口を開けた時です。こちらは大量に吸い込むと、中毒性がある他、地球温暖化や、光化学スモッグなど、環境汚染の原因となる為、こちらも基準値が定まっています。・窒素酸化物(NOx)こちらは燃焼の過程において生成される副産物です。光化学スモッグや、酸性雨といった悪影響があります。・粒子状物質(PM)皆さんも聞いた事があると思います。PM2.5などと呼ばれるのも、この粒子状物質です。主にディーゼル車などで生成されやすい成分で、ひどくなると黒煙として目でわかるレベルになります。4.排気ガス以外の除去方法排気ガスは、上記のような人体に影響あるガスを無害にする為の装置に通し、マフラーから排出しています。ではブローバイガスと燃料蒸発ガスは、どのように除去しているのでしょう?これらを解説します。・ブローバイガスの除去燃焼室から吹き抜けたブローバイガスは、クランクケースという部分に滞留します。そのままにしておくと、エンジン内部のガス圧力が高まり、ガス漏れや破損が生じます。かといって、大気に放出すると、大気汚染につながります。そこで自動車には、ブローバイガス還元装置を設けて、吹き抜けたガスを再度燃焼室に送り、燃焼させています。その部分もしっかり点検するようメンテナンスノートにも載っているんです。 ユーザー自身が実施しないといけない日常点検はコチラ・燃料蒸発ガスの除去燃料タンク内で蒸気となった燃料は、そのまま大気に放出する事はできません。そして同じようにタンク内に留めておくと、燃料タンクの破損につながります。そこで、燃料を吸着させるチャコールキャニスターと、吸着した燃料を燃焼室に吸い上げるチェックバルブを設け、燃料室で燃やすことで対策しているのです!こうして考えると、様々な装置を駆使して環境汚染を阻止しているのが分かりますよね。5.まとめいかがでしたか?今回は、車の排出ガスについて、お話ししました。これからますます環境に配慮したクルマが登場していくと予想されます。もしかすると近い将来では、二酸化炭素すら排出しない車も、普通に走っている世の中になっているかもしれませんね。そして排気ガスについては、とても複雑かつ、面白い装置が搭載されていますので、また次回にでも解説したいと思います。車に関する素朴な疑問、質問も随時、受け付けております。内容次第では、記事にて詳しく紹介させていただきます。それでは、今回はこの辺で!ko-heiでした!!