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食品の裏側の著者、安部司氏の講演(無料託児付き)を聞きに腰越行政センターへ行ってきました。

この本を読んだ時の感想はこちら


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
安部氏とは、元食品添加物商社のトップセールスマンで、
加工食品がどう作られるか、裏の裏まで知り尽くした男。
全ての添加物の効用が頭に入っていて、添加物の神様との異名もとり
加工食品の製造法で4種類もの特許も持っている。
ところがある日、娘が自分の開発したミートボールをパクパク食べる姿を目撃。
そのミートボールとは、使い物にならないクズ肉を山程の添加物を加えて蘇らせた激安品。
これは大変だ!とすぐに商社を辞め、添加物アドバイザーに転向。
今では保育園や学校など、添加物の怖さと加工食品の真実を伝える活動を、
懺悔のつもりでして回っているという人。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


会場に入ると講演台にズラリ並ぶ食品添加物の白い粉の入ったビン、ビン、ビン。
ざっと4~50種ぐらい、いやもっとかな。

で、講演が始まるといきなり

「この中から3種類好きなの選んで舐めていいですよ」と安部氏。

ヤだよね、実験室にあるような薬品舐めるなんて。

「なのに皆さんは、これが数十種類も入ってるスーパーの特売品を、髪振り乱してなぜ買いに行きますか!売ってるお握り1つに30種類も入ってますよ」

超早口、マーフィ岡田を彷彿とさせるテンション。すごい啓蒙力。
これが通販なら間違いなくその場で受話器握ってる。

その話術に交えてテーブル上の色んなビンからパッパッと何種類も添加物を混ぜながら、自販機で売ってるような飲料、松茸風味のお吸い物、コーヒーフレッシュなどを作ってしまうのです。

おばあちゃんの手作り風色悪タクアンが、お弁当に入ってる黄色いタクアンに早変わり~なんて、まるで化学版でんじろう。

100人前後の受講者も、引きつけられっぱなしの2時間。

私は本を読んで事前知識はあったものの、読むと体験するとじゃ天と地の差。

ホントにホントに怖かった。


「砂糖1/2カップ分の糖分が入ってるペットボトル飲料が(全てじゃないよ)、海水と同じ塩分濃度のカップラーメンが、添加物の魔法で飲めてしまう、それも美味しいと感じてしまう。添加物ってすごいでしょう。それに慣れた味覚はもう薄味では満足できない。体はどうなっていきますか」

………。


食品添加物が人体にどんな影響を与えるのか、まだ分からない事が多いとか。
ネズミでしか実験されていないし、どれも1種類ずつの実験結果だけで、30種も50種も一度に取ったらどうなるかという実験はなされていないと。

でも例えば、栄養ドリンクのビンの中では恐ろしい化学反応が起こっているらしく。

そんな添加物を私達は、1日何十種類も、30gも50gも体に入れているんだそうで。

これはもう壮大な人体実験。



なぜこんなことになっているのか。

それは消費者の要望に応えてきた結果が招いていると。

口では安全な食べ物を、安心できる食品を、と言いながらも、
実際に売れるのは
1:安い
2:簡単
3:便利
4:美しい
5:味が濃い

本当に安全な食品は安いコストで作ることはできない。
それを購入するのは全体の2%程度だとか。
安全な食品を作る会社は、商品が売れないから次々と潰れていく。

食品メーカーは会社が倒れないために売れる商品を作る。

コストを抑えた上で満足な味に仕上げるために、何十種類の添加物が大活躍。

さらに、たった1つの黒い点がついていただけでも、苦情が来れば何千もの商品を回収し罰金を払わされるため、メーカーはそれを恐れて何種類もの薬品を混ぜていく。

痛まないように、色あせないように、味が落ちないように…。


ミートホープ社は法に触れる事までしてコスト削減したから論外だけれど、半額セールに行列する消費者も悪いという発言はあながち間違いじゃない。

「1000円の醤油と特売で198円の醤油、どちらを買いますか?
大抵は198円を喜んで買うでしょう。
どうしてこんなに価格差ができるのか不思議に思ってください。
醤油は大豆と小麦と塩で作る物。
それが198円の原材料にどれだけの材料が書かれてますか。
そこには書かなくていい添加物もいっぱい隠れてるんですよ。
それを毎日料理に使っていくんです。
どうして家で作るとすぐに痛むポテトサラダを外で売ることができるんですか、
どうしてコンビニのサンドイッチの野菜はいつまでもシャキッとしてるんですか。
なんでハムの材料に大豆タンパクが書かれてるんですか。
素人の皆さんに必要なのは、そういうことをおかしいなと思うことです。
お母さんが時間がないとか面倒だと手抜きをしたら、子供の小さな体には解毒する間もなく次の添加物が入り続ける。
手抜きする背中ばかり見せて心も育たない。大きくなって親を尊敬もできない。
子供は犠牲者ですよ」

安部氏からは、憤りのような気持ちが始終ヒシヒシと。
それは、自分が企業の為とはいえ犯してきた罪に対してと、
消費者が被害者意識を捨てて賢くならなければ、この悪のスパイラルは止まらないということに対してのように感じました。


そうは言っても、添加物ゼロの生活はもはや不可能。

どんな食品を見ても、ビックリするほど添加物の羅列。

だけど全てを素材から吟味して手作りすることなんて無理。

昔のように、子供は外で遊んでいて親は台所で料理なんて時代じゃない。
子供の行く所についていれば料理をする時間は削られるばかり。

働いている主婦は、食卓に並べるまでの時間をいかに短縮させるかが最大のポイント。

塾通いの子供はコンビニ弁当が夕食だったり、若者はファーストフード大好き、働き盛りのお父さんはコンビニ弁当か格安の店で外食。

収入が少なければ、安い商品に飛びつくのは当たり前。


とんでもない時代に生きている私達、答えはどこにあるのかな。。。。。

とりあえず「食品の裏を見て、台所にない材料があまり書かれていない物を選ぶ」というだけでもかなり違うかな。


最後に数種類の粉をポテトサラダに混ぜ込んで、
「これで長持ちしますよ」

食べるものに薬品を振りかけて混ぜる姿がキョーレツに頭にこびりついてる……。
これが現実なんだな、と。


こんなことを私が書いても神経質に思われるのが関の山。

会場にはコミック“美味しんぼ”のスタッフと、テレ朝の報道番組の取材クルーが入ってたので、そういうメジャーどころから知識が広まって、日本人の意識改革の波が起こってほしいなと。


みんながよく飲んでる飲み物がどんな風に作られてるか知りたい人は、この下も読んでね。
(注:全ての飲み物ではありません)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「じゃあみなさん、今から果汁数%とうたわれてる飲料を作ってあげましょう。
このブドウ糖果糖糖液に水を加えます。
本物の砂糖を入れたらコストがかかりすぎますから。
ちなみにこの糖液は、アメリカのトウモロコシ畑で飼料の残りを加工したもの。空から農薬撒いてますよ。
さてこれだけじゃ甘すぎて飲めない。砂糖ならカップ1/2入ってる甘さですから。
さっぱりさせましょうね。
それにはクエン酸とアスコルビン酸をこんなもんかな、パサッパサッ。
これでレモン30個分って言えるかな。お好みならレタス1個分の繊維も入れられますよ。
さて、これで飲めるようになりましたよ。
でもこれじゃあつまんないから、色付けますかね。
(と、コップを3つに分けて)1つは黄色にしますか。
ええとこれはコールタールから作られてます。
もう1つはオレンジ。これは、虫をすりつぶした粉。
あとメロンも作りますか。
みなさんの大好きな天然色素にしましょうね。カイコの糞ですけどね。
この実験を保育園ですると、色のタネを先に明かして怖がらせても、
出来た液体見ると飲みたくなっちゃうんですよ。
でも『いつも飲んでるのはもっと濁ってるもーん」って。
濁らせるなんて簡単、任せて。
これ入れればいい。これ、オガクズでできてます。
さーてと、これじゃ香りがまだないね。
それぞれの香料をこんなもんかな。パパパッ。
どうやって抽出されてるかは知りませんよ。煮詰めてるのか化学処理なのかは。
あ、全部合法ですよ」
(講演を忠実に再現したわけではありませんが、こんな内容を話してくれました)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
もっと知りたい人は

食品の裏側





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Last updated  2007.06.30 01:25:17
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