別府大分参戦記
さて、超久々の更新は別大参戦記。【前日】 伊丹発大分行のJAL便はマラソンバスならぬマラソンジェット状態で、サブ3オーラがメラメラと立ち上る人たちに囲まれて、場違いな自分を意識。 大分空港で偶然unyaさん、へちょしさんにお会いし、また別府に着いてからは小次郎さんと、知り合いのお顔を続けて見て少しほっとする。昼食は小次郎さんがタクシーのドライバーから仕入れた情報により、バス停裏の和食屋へ。結構待たされたので、期待いっぱいでさっそく関サバのお刺身@¥1,890をオーダーするも、まぁ普通のお味(もちろん新鮮で、コリコリと歯ごたえもよかったが、やはりサバはサバです)。 昼食後は今や絶滅寸前の地方老舗百貨店のレストランでさびれた旅館街を見下ろしながら、男二人、はちみつパンケーキなどをコーヒーで食しつつ、最近の日本陸上界について、特に期待の新星T・ユカ選手の今後について意見交換。 受付時間となり、会場のビーコンプラザに行くと参加者でかなり混雑しており、大分名物などのブースは大行列であったので、とりあえずは観客席に落ち着き、ますたぁさん、まさきちさんとの合流待ち。ほどなく皆さん現れて、会場内で食べ歩きしたりしながら、前日の雰囲気を楽しむ。しかし、メインの催しであろう谷川真理と寺澤徹の両氏のトークショーが始まる頃には会場内は閑散としてきて、我々もほどなく引き揚げたが、主催者の段取りがイマイチ悪い感じ。 ホテルを取った大分にJRで移動、チェックイン後に同じく大分に泊まるますたぁさんたちと夕食。前日なので、飲みはジョッキ1杯に留めつつ、鳥天・だんご汁・琉球の大分名物3点セットを攻略して、前日のミッションを無事完了。【当日】 スタートは12時であるので、ホテルを9時に出て、ゴールとなる陸上競技場からシャトルバスでスタート会場のうみたまごへ。60回記念大会ということで参加資格が拡大されたカテゴリー3(3時間~3時間30分)は、待遇のいいエリートとは別に高崎山側の駐車場に設けられたテント村が更衣場所とされていたが、穏やかな天気のおかげで寒さを感じることはなく、また場所もわりとゆったりしていたので、それほど悪くはない印象。ストレッチの前に軽くジョグをしていたところでまさきちさんと出会い、ラインナップまでの時間を一緒に過ごす。 ラインナップ(スタート前の整列)は持ちタイムによるナンバー順(ただし陸連登録選手が先)で、係りの人のチェックもあり、結構きびしい。チェックが終わり、交通規制がかかって静かになったコース上に移動し、スタートラインのある陸橋前へ。周りは意外にも年配の人が多い。皆一生縁がないと思っていた大会に、条件が緩和されたおかげで、ここぞとばかりに乗り込んできたという感じで、「いやぁ~ 今日は関門に引っ掛からんようにはしたいですわ~」などと、なごやかな会話が飛び交い、結構リラックスムード。スタート時間が近づき、クレーンカメラがこちらに向くと、皆何とか映ろうと手を挙げたり、ぴょんぴょん飛び跳ねたりと普通の大会とあまり変わりがない…(スタート~10km:45’32(45’06)) 中継ヘリの轟音響く中、12時スタート。スタートロスは26秒、しかし、かなり混雑しているにも関わらず、さすがに出場者の走力が揃っているためか、スタートラインを越えるとスムーズに流れてゆく。まずは別府市街へ向けて北上。今日の目標は3時間15分切り、そのためにはキロ4分30秒のペースを30キロまではキープしたいところ。関門は10キロ毎に49~52分と、大崩れがなければ特に問題はないはず。 別府観光港の先の辺りで折り返してきた先頭集団とすれ違う。エリートレースをライブで観ているようで、とても同じレースを走っているような気がしない。その先しばらく行って、一般参加者が増えてきたところで、ますたぁさんから声をかけてもらう。 さて、問題は給水。6キロ地点から5キロ毎にエリート用のスペシャルテーブルの先のゼネラルテーブルにスポドリが、またしばらく行ってスペシャル&ゼネラルの間にスポンジとただの水のサプライテーブルが用意はされているが、どのテーブルの上にも何もない… 今日は気温が上がる可能性もあるため、これはきびしい。事前にジョグノートでたぶろうさんの東京国際での経験や、昨年の参加者のブログを見たりしていたので、そのような事態も一応は予想していたものの、特に準備はできず、せいぜい前日からスタート前にかけて水分補給を意識していたぐらい。そもそも給水の準備等を理由にカテゴリー3はエリートよりも2,000円高い参加費を支払っているのに、これはどういうことなのか。また飲み終えたプラスチックカップやペットボトルが道路の端ではなく、真ん中にバラバラと散乱しており、給水所付近はとても走りにくい。後続のことなど何も考えていない、エリートレースのすさまじさを感じた。 9キロで折り返し、ここから31キロ地点までは基本追い風となるコースのはずであったが、時に向かい風を受けるなど、あまり高速コースの設定の恩恵を受けることなく、大分の街を目指して南下が続く。(~20km:45’37) 別府の街を出て、再びシーサイドコース、空はうす曇となって心配していた気温の上昇はない模様。ペースの似かよった女性ランナー2人と前後しつつ、時折風避けに集団に入ったりしながら、淡々とペースを維持。シーサードコースは片側3車線と幅が広いが、カーブはきつくバンクしており、コース取りがむずかしく、また両足の外側、腸脛靱帯に負担がかかる。 スタート地点のうみたまごを再び通って、その先の20キロの仏崎付近、海から強い向かい風が来て、おいおい、話が違うぞ、ここは基本追い風のはずやろ、と思わず毒づいてしまう。ただ、この辺りの給水からようやく水にありつけるようになり一安心。それでも水の方は固く大きなプラスチックカップになみなみと注がれていることが多く、わかっていないな~、という感じであった。(~30km:46’44) ハーフ通過は1時間36分11秒(ネット1時間35分45秒)と1年ちょっと前のハーフのベストに近く、こんなペースでフルを走るのは初めて。どこまで持つかはわからないが、現在のハーフのレースペースよりは少し遅めで、12月の加古川以降、このペースを無理なく感じられるように練習してきたつもりではあるので、とにかくがんばるしかない。 大分市街に入ると広い産業道路、25キロを過ぎて数秒意識が飛ぶ… この間特に蛇行はしておらず、ちょっと気が抜けただけなのか。そのうちみぞおち辺りの腹筋に攣る感じも出てきて、かなりきつくなってくる。弁天大橋の手前から右手にゴールの陸上競技場が見えてくるが、この先31キロ地点で折り返して、もう一度横を通り過ごさなければならず、フラットとはいえ、なかなか精神的にタフなコースである。(~40km:51’25) 30キロを過ぎて間もなく右折し、片側1車線の狭い道に入り、再度右折すると大分市の中心街への道に。道幅が狭くなったおかげで沿道の人たちとの距離が近くなり、熱心な声援にとても励まされるが、もう足は限界、すっかりキロ5ペースに落ち込む。陸上競技場をうらめしく見ながら再び弁天大橋を渡って中心街へ。最後の折り返しが遠く感じられて仕方がない。前半で競い合った女性二人が相次いで横を通り過ぎてゆく。苦しそうながらも、強い意志が感じられる後姿、こういうのが地力の違いなんだろう。(~ゴール:11’16(グロス3h20’34、ネット3h20’08)) 県庁前を過ぎるとラスト2キロ、三度大分川を渡り、橋を渡り終えたところで左折すると、ようやくゴールへの道。最後ぐらいは何とかと、少しペースを上げながら、競技場のスタンドをくぐると、先にゴールしていた小次郎さんに声をかけていただき、ラストスパート。タイムはネットでビミョーに20分を切れなかったものの、セカンドベスト。フィニッシャータオルを肩にかけてもらい、ようやくスポドリのボトルを1本丸ごともらって人心地がついた。【感想】 実のところロードのエリートレースへのあこがれはそれほどなく、ただもう2度とない機会だからと参加した次第であるが、普通のレースにはない雰囲気は確かにあった。ただ、運営の方がこの規模に不慣れなのか、今までどおりのやり方であったせいで、きつく感じるところもあり、特に給水の問題は何よりもちゃんとしていただきたかった。レースのアメニティ自体を比べれば、普通のレースの方がずっといい。 まぁそれも含めてひとつの思い出、語り草かな、というところである。