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まだ20代前半だった頃、しょっちゅうオートバイに乗っていた。
そんな私は、片岡義男『彼のオートバイ、彼女の島』が好きだった。タイトルにも表れているように、恋愛物語がベースになっているので、ヘソ曲がりで気取り屋の私はこの本を読んでいるということを人に言えなかった。今も、こう書いているのが少し恥ずかしくもある。 しかし、オートバイの独特な感じが良く表現されていた、と断言することには全く抵抗がない。エンジンの震動や、クラッチを繋いで走り出す感触、シフト・ペダルの動かし方。それらの様子が的確に文字になっていた。 このところ、生田耕作の訳でマンディアルグ著『オートバイ』をポツポツ読んでいるが、肝心のオートバイのことになると、酷い文章が連なることに気が滅入る。日本有数の仏文学者は、二輪車に触れたことがなかったに違いない。それとも、マンディアルグの文章自体酷かったのだろうか。確認が必要かもしれない。 話がやや脱線したが、『彼の~』で主人公・コオが乗っているのは、カワサキ650RS(通称:W3《ダブサン》)である。これが近年リニューアルされカワサキW650となって発売されている。 古くからの友人Tが、今このW650で北海道を走っている。Livedoorのブログが携帯から日々更新されていて、けっこう面白い。短い日記と一枚だけの小さな写真の中に、オートバイの旅の雰囲気が強く感じられる。もっとも、私自身も同じように道内を走ったことがあるから、そう感じるのかもしれないが。 「いいなぁ、オレも行きてぇ。」友人Tの新しい記事が出てくるたびに、そんな言葉が数回漏れてしまう。私がオートバイに乗らなくなって、そろそろ10年くらいになるだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.10 23:07:19
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