コイケランド

　IFJTにてR.先生の講義。第8回。

　前週の講義に関して記したものの中で、『黄金探索者』が『星の王子さま』や『アルケミスト』に近い、ということを書いた。
　しかし、この回で対象となっていたp.277以降の部分を読んで、印象が変わってしまった。内容が従軍手記なのである。『黄金探索者』も“大人も子供も読める良書”というような文脈で私は書いてしまったが、その認識は早計過ぎたようだ。
　第一次世界大戦で、塹壕の中で戦う兵士たちを結構リアルに描いており、少なくとも子供が楽しく読めるところではない、と思う。

　講義は残りあと2回となるが、この後はどうなるのだろう？楽しみだ（と言ってみたら予習も楽しくならないだろうか）。

【付記】
　本年4月に出版された下記の書籍に、中地義和訳の『黄金探索者』が収められているようだ。
　池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2『フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者』河出書房新社 2009年