テーマ:不登校(679)
カテゴリ:学校
こどもにうつはない、というのが数年前までの定番だったようですが、最近は中学生の4人に1人が抑うつ状態なのではないかといわれているそうです。
その他にも気分変調症なども含めたらかなりの数になるのではないのでしょうか。 #うつ状態とうつ病とは全く違います。風邪と肺炎くらいの違いだと思ってください。 #おそらく調査にはDMS-IVの診断基準を使った問診表を利用したのでしょうけれど、問診表でかかってくる人を更にきちんと診断した一部がうつなのだといわれています。安易な適用は慎むべきです。 これから書くことは私が当事者であるために得た知識であり、他の方のご参考になれば・・・と思って書きますが、統計を取ったわけでも、私が医療関係者でもないことを承知の上でご覧下さい。 最近増えてきたのか。そうですね、増えた部分もあるでしょう。でも、元々思春期というのは自我の再形成の時期であり、揺れ動く不安定なお年頃ですから、以前からあったのでしょう。ありましたよ。ただ、隠していただけです。20年以上前でも、図書館で「何でこんな本を借りる人がいるんだろう?」と思うような精神医学の入門書が結構借りられていましたからね。 隠さなくても良くなったと言う点ではいい時代になりました。 少なくとも不登校であろうとなかろうとうつ状態であることはありえますが、私は念のために不登校の場合には精神科の受診をお勧めしています。できれば子供の精神科がいいのですが、現在児童精神科医は全国で100人程度しか認定医がおらず、都市部に偏っているので、見つけること自体が難しいですね。思春期外来を掲げている心療内科などでも一度はかかることをお勧めします。 というのは、不登校=病気ではありませんが、病気の初期症状が不登校という形で現れる可能性が高いからです。 また、不登校であるという状態が原因で二次的にストレスがかかることもありえます。 何と言っても早期発見早期治療でずいぶんと自信を下げずに回復することができますし、シンプルなケースでは「お守り薬」として軽い精神安定剤を持ち歩くだけでずいぶんと行動範囲を広げることもできるからです。うつに限らず、思春期に初発する精神的な辛さも、早いうちから医療の助けを得ることでずいぶんと楽になります。 お薬について否定的な方がいらっしゃることも分かります。最近ではパニックしょうがいに有効なパキシルという抗うつ剤を18歳以下の方に投与することが禁止されました。大人とは違う影響が出やすいのも事実ですが、一つの事例で全ての効果を否定するのは安易に過ぎると思います。 もちろん、安易に投薬してことたれりとする医師は論外です。 思春期の場合には大人よりもさらに慎重な経過観察や治療が必要です。また、多くの兆候ははっきりした形をとらず、診断が難しいものですから、安直な判断も禁物です。残念ながら複数の医師を回ることになることもあるかもしれません。 ある程度長期間お薬を飲むケースもあるでしょうから、子供さんと十分にお話して、インフォームドコンセントをとる必要もあります。よろず、こどもを相手にするときにはゆっくりと時間をとる必要がでてくるでしょう。医師は絶対的に不足していますので、臨床心理士などの医療資源やコメディカルも有効活用していく必要もあります。 不登校は病気であると見なすのは反対です。 原因の大部分は本人にないことが多い。ただ、重要な兆候である可能性は見逃してはいけないと思います。統合失調症の初期症状だったのを見逃してしまい、とても後悔している親御さんを知っています。 この記事は私自身の体験に基づいてお話しています。 私は双極性感情しょうがいのために感情の揺れを非常に大きく感じてしまう体質です。初発は13歳、中学生のときでした。この時は自分が病気であるとは夢にも思わず、翌年不登校傾向になったときも体が動かない理由がさっぱり分からないまま、体を引きずるようにして高校受験を乗り切りました。 この後も何度も危機がありましたが、中学生の時にきちんと診断されて治療が始まっていれば、おそらくその後の危機のかなりの部分は回避できたと思われます。結局受診したのは初発から10年経ってからでした。親元から離れ、自由になった時に、改めて自分自身で情報を収集し、医療の手が必要だと判断したのです。 双極性感情しょうがいの症状が初めて出るのは中学生の時が大部分だそうです。目に見える症状としては典型的な「うつ状態」から始まるようです。その他にも思春期に端を発する健康上の危機は一つではありません。 何もなければそれで良いではありませんか。ああ、良かったと安心するためにでも、一度は受診してみることをお勧めします。そして、受診する時には絶対に、絶対に、お子さんに強制しないでください。まだまだ偏見が多い分野です。病気は選べないというのに。 かしこ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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