テーマ:中学校って・・・(602)
カテゴリ:算数
整数はイメージが描きやすい数字で色々なロマンをかき立てるらしく、さまざまな数学クイズの対象になってきました。でも受験生にはクイズを楽しむ余裕がないようです。ああ、残念。
では、鈴の助さん、、奇数と奇数を足すと必ず偶数になることを証明してください。この積み木を使ってね。 始めは文字の式で始めましたが、どうやら鈴の助さんは空間認知優位タイプのようなので、積み木を持ってきました。 ダイソーで100円でした。ほほほ。 どの奇数も一個置いたあと、少し離して続きの積み木を並べてあるのがポイントです。 「ん・・・えーと・・・あ!」 はい、何か気がつきましたか? 「離しておいてあるのは1こだけですか?」 その通り。一個だけです。そこがポイントです。 折角触れるように持ってきたから存分に触ってお考え下さい。 こう言わないと遠慮して誰も触らないのですね。大丈夫だよ、壊れないし。おかしいなぁ。子供って触りたがるはずなのに、いつの間にか触らなくなるんですね。 鈴の助さん、苦労してますね。(当たり前です。一番苦手な種類の問題を持ってきたから。) じゃあ、3+5をやってみます?一個離してある隙間はあけたままでやってみてください。 「あ・・・。1+1=2だから偶数なんですか?」 素晴らしい。最も重要なポイントです。 奇数は一般的に2n+1と表します。 (二個二個の組み合わせ)+1ですね。必ず+1にして半端を作ってやらないと奇数にはなりません。 奇数+奇数は必ず半端の+1が入っているから1+1=2、 半端ではない方は偶数なのですから 偶数+偶数+2は2の倍数です。つまり、奇数+奇数は偶数になります。 解答例 任意の奇数を2n+1、2m+1とします。 任意の奇数の和は2n+1+2m+1 =2n+2m+2 =2(n+m+1) よって、任意の奇数の和は整数の2倍で表され、偶数である。 今回積み木を使って整数の証明をやったのには理由があります。 小数、分数などの半端な数を中心にやっていると、整数という数字の定義があいまいになってきてしまいます。 整数はこの積み木一つのように、区切りのある数で、一番小さな積み木1個は割ったり切ったりできません。割ったり、切ったりしたら、もう整数ではなく、小数や分数になるのです。積み木が積み木でない木切れになってしまうように。 任意の整数、なんて言われるとちょっとびびってしまいますが、必ず、一つづつ足したり引いたりかけたり割ったりできる、決まった性質がある数なのだということです。そして、デジタルです。1と2の間の整数はありません。 整数はデジタルである、ということがはっきり分かっていないと、この後で素因数分解や約数を考えるときにちょっと苦労します。逆に、整数がデジタルであることが分かっていると、証明は積み木を並べ替える程度に簡単な問題に早変わりします。 この後、鈴の助さんは「整数=デジタル」という考えのもと、応用問題を解くのですが、著作権の問題があるので、問題の引用は控えます。 #そして私の数学力の問題で、類題もちょっと思いつかないので、ごめんなさい。 鈴の助さんの得意技は持久戦です。いくらでも応用問題に食らいつく。すごいです。 ちなみに、同じ問題をフェラーリ君は瞬時に解きました。彼は文字式で考えていたときには苦労してたけど、積み木を見た瞬間分かってしまったそうです。 3つの連続した整数の和は必ず3の倍数である、という問題も苦もなく解いてしまいました。宿題にしようと思っていたのに。 ・・・はっ! それとも宿題にされるくらいなら解いてしまえと思ったのでしょうか? かしこ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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