基本に忠実に本質を伝える

2008/03/18(火)23:27

漢字のお勉強 小学校中学年

国語(104)

漢字のお勉強は大体中学年から難儀してきます。 一般的に軽度ディスレクシア(識字困難)がはっきりしてくるのがこの頃で、おおよそ日本には漢字が苦手という程度も含むと8-9%のディスカリグラファ(書字困難)がいます。 能力の欠如ととられるのが困るので、気がついても親御さんにお伝えするかどうかは非常に迷うところです。ごく軽度で、他の対応を必要としない場合には指導を工夫してお伝えせずに切り抜けてしまうこともあります。大抵の場合にはその分すごく数学ができるとか、空間認知が抜群とか、色彩感覚が優れているなど、付随して認知の偏りが見られます。 認知の偏りからくる漢字学習の困難解決の第一は「叱らないこと」です。 第二には「一つ一つの課題を易しくする」 第三には「書く回数を減らす」 この一、二、三を踏まえたうえで、指導を組みます。 視覚認知が優れていて、形を捉える力が十分な場合には部首学習を徹底します。 教材は太郎次郎社の 部首カルタ 98部首カルタ がお勧めです。字義が分かりやすい絵がついているので、形と意味がしっかり理解できます。 読書をまず進め、分からない文字などをCMなどの待ち時間の間に 漢字なりたち辞典―藤堂方式・小学生版 (単行本) 教育社 単行本: 1085ページ 出版社: 教育社; 新訂版版 (1991/12) ISBN-10: 4315512044 ISBN-13: 978-4315512045 を使って形と字義を押さえるのも有効です。これは形声文字の学習に効果があります。ただ、これは漢字字典としては少々使いづらいところがあります。 手の動きが不器用などの場合には「なぞりがき」を多用します。毛筆などで大きな文字を書いてから徐々に小さくするという手法も有効です。空中で大きく唱えながら書くのが小学校ではよく実践されています。 文字そのものと相性が悪いという場合には熟語の学習から入ります。こういう言葉、音の時にはこんな意味がある。ここで学習の動機付けをしてから、なぞりがきや部首の学習に進みます。 色彩感覚が豊かであるという場合には、どんぐり倶楽部の漢字塗り絵がいいと思います。書き順も同時に覚えるメリットがあります。大きめな文字を使うとなお良いでしょう。 音声認識が優れている場合には ドラえもんの国語おもしろ攻略(〔9〕)歌って書ける小学漢字1006 がいいと思います。とにかく書き順に強くなります。人の話は聞いちゃいねえというお子さんでも独り言をよく言っていたり、鼻歌を歌うようなお子さんなら向いています。 最終的には漢字検定などが報酬系としては望ましいでしょう。10級=1年生、9級=2年生、8級=3年生、7級=4年生、6級=5年生、5級=6年生と言われていますが、多少前後しても構わないでしょう。中学受験をするお子さんだと4年生で5級くらいまで、5年生で4級がいいと言われているようですが、よほどのお手ごろ校以外は漢字検定の成績と入試の合否は無関係です。

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