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2006年11月23日
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カテゴリ:記念日
定刻の6時をやや過ぎてから始まった。
主人はビデオ撮影のために80センチの高さの台の上に陣取ってスタンバイ。
今回のお世話をして下さった事務局の会長の挨拶から始まり、副会長の経過報告があった。
その後、発起人の代表である市長の挨拶に会場が静まり返った。

私が以前仕えていたから言うわけではないが、この人は雄弁というより能弁で心にくいほど素晴らしい挨拶やメッセージを話せる人なのだ。
時には涙ぐんでしまう人がいるぐらい心のこもったお話しに聞き惚れてしまう。
叔父も感激して何度も頭を下げていた。

来賓の祝辞、メッセージや祝電の披露が済み、花束贈呈、そして叔父の謝辞になった。

当初、10分を目途に練習していたのだが、予想に反して20分近く叔父は謝辞ならびに考えを述べた。
私たちは叔父の体調を心配しながら見守った。
「本当にありがとうございました」叔父の挨拶が終わると会場から拍手が沸き、壇上から一歩ずつ下りて来る叔父を見ながら涙が溢れた。
約半世紀をかけて調べ上げた集大成の出版である。ようやく陽の目を見たのだ。色々な苦労があったはずだ。
私が叔母の立場だったら?到底できないことである。

この夫婦だからこそ成し遂げたのだろう。
乾杯の音頭があり、会食になった。

教員をしていた叔父は教え子の出席を大層喜んでいたが、途中、小学生時代に教えてもらったという今は30代後半ぐらいの教え子たちが花束を持ってやってきた。
これには叔父叔母も驚き、笑顔と涙で手を握りながら喜んでいた。

この場で同じ時間を共有できる幸せをかみしめた。

政界、財界、企業、教育関係など叔父の周りを取り囲む人たちの思惑もさることながら、それを見ている自分も不思議な感覚にとらわれていた。

8時半にお開きとなったが、皆さんをお送りすると言って叔父は会場出口で一人一人にお礼を言った。私はそれをビデオに納めながら「凄い人だ」と思っていた。

痛み止めが切れかけているはずだ、と心配していたが、叔母がいつでも側にいることが安心なのだろう。

叔父の長男夫婦と叔母の甥、姪と一緒に片づけをし、軽トラックに積み込んだ。全て運び終えて家に帰り息子に料理のお土産をふるまい、熱いお茶を飲む。
「あぁ、終わった」
「おつかれさま」
「親父もかあさんもおつかれさん」

ビデオのダビングをしながら又、感激が再燃するのだろう、ゆっくり編集しようと思っている。





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最終更新日  2006年11月23日 12時00分56秒
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