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2007年07月13日
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カテゴリ:農業

昨日に引き続きまして、アメリカのトマトの話。
スーパーで買うトマトは値段がいろいろですね。
特徴のある(甘いとか)のは100gあたり100円で売っています。(1つ200円前後)
安いのは1つ100円。でも、多くの方は安いのだって、十分赤いし、形は整っているし、味もこんなもんじゃないの、これでいいんじゃない?って思っていると思うのです。
国産はまだ大規模農業という範囲ではないのですが、今後大規模農業を目指すと思うのです。そして、大規模農業になったとき、何が起きるか・・・。すでに大規模農業になったアメリカで起きたことを紹介します。
「何を食べるべきか」(丸元淑生 著、講談社α文庫)より引用します。(P29)



「トマトはなぜまずくなったのか
収穫機の導入はほかの変化ももたらす。加工業者はトマトはもっとかたく、酸っぱみが少なく、小さなサイズであるべきだと考えた。技術者たちはトマトは皮がつぶれないように厚くて、コンベヤーに乗ってもコロコロ転がりださないように、長楕円形であるのが望ましいと言い出した。大農場経営者は機械化することによって1エーカー当たりの収量の増加が第一だった。それには茎割れに強く、強い日差しから果実を守る適度の葉の茂る品種が望ましく、灌漑用の溝よりもちょっぴり背の高い必要があった。
遺伝学の研究者たちが、こうした“要望”に沿った品種の開発に力を入れた結果、ほかの要素は切り棄てられる。彼らの目指したものは、物理的ショックに強い外皮、少ない酸味、完熟時期の一斉化、長楕円形化、葉の茂りのよいこと、そして多収量である。風味や栄養は二の次だったのだ。(中略)
これからも、農業における競争の様相がどういうものかがわかる。工業製品と異なるのは、品質が競争の対象にはならない点である。加工して調味料を加えれば味はわからなくなるからだ。トマトをそのままスーパーで売る場合でも、ほとんど生産を寡占しているのだから、(そして競争相手も同じようにして品質無視のものを作っているのだから)、やがて消費者は、昔の本当のトマトの味を忘れてくれるのだ。
そして、皮が硬くて厚い、汁気も味も少ないトマトを、買うことになる」
品質軽視の農産物は大規模化が進められれば進められるほど、日本でも増えてくるでしょう。消費者の健康やおいしさを考えて作られる農産物はどんどん少なくなりそうです。十分赤くても、それは農薬のためかもしれませんよ。赤いからおいしいわけではないのです。安いからいい、と安易に食べていると、とんでもないことになりそうです。
加工していなくてもこれだけ味が落ちているのだから、加工しているものに使われているトマトは加工する前にいかに味が落ちているか・・・。そのことを次回引用したいと思います。






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最終更新日  2007年07月13日 09時06分46秒
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