本当の福祉とは?
今日午前1時から、山口放送製作のNNNドキュメント’06「笑って泣いて、寄り添って リエとナオミの介護日記」を見た。二人の若い介護福祉士が学校卒業後就職した老人施設での介護の作業化に疑問を覚え、地元に戻り訪問介護を立ち上げた話しである。二人は介護保険に縛られることなく高齢者と自分達なりに接し、人間の関わりあいという介護の素朴な原点を実践していく。介護保険に縛られないというのは、介護保険の規定外の時間であっても心配なら訪問する、生活援助の規定時間が過ぎても途中ならば話しを聞いたり世話を続けたりするという、人と人との関わりあいからみれば自然な行動の実践である。介護保険制度の下、施設は増えているが、そのサービスは多くの場合経営上の立場から、画一化したものになっている場合が多い。人と人との関わりを時間で規定する「はい、生活援助の今日の適用時間は30分です。終わりました、はいさようなら」的なサービスの提供に甘んじている施設は数多い。人との関わりという福祉の原点より、今の法制度、行政は財政的側面から福祉を肌で知らない人たちがその立法、運用に携わっていることが多い。役人が実態を知らない!役人は融通がきかない!等の批判を受ける所以である。かくいう私も頭でっかちの一人で福祉の学びを経てはいるものの、実際の関わりが薄い。本当の福祉とは人との実際の関わり、ふれあいのなかでしか生まれないことを常に自問すべきであろう。