「グロテスク」読んだ
夜中2時までかかって読みましたー!結構ぶあつい本だったけど、長さを感じさせない。ぐぐーっと引き込まれるまま、語り部の心の闇に翻弄されたって感じ。さて、感想は・・・・(長いです)何故か、少子化の原因に思い当たった。女性は色んなもの(容姿・親・家柄・結婚相手・子供など)を世間の基準と比べて生きていかなきゃならない。女はかわいくて、立派な親がいて、3高(死語か)の男と結婚し、子供はいい学校に入れて・・っていう価値観に脅迫されて、生きている。今はそういう社会じゃないと言うし、結婚した今となっては、顔や学歴なんて人の好みは千差万別で、結局はウマが合うかどうかだからあんまり関係ないとわかるけど、やっぱり根強いと思う。上流社会と言われる人ほど、そういう価値観にしばられている。っていうか、ウマが合うかどうか以外の、世間の価値観を基準にして結婚した夫婦、その子供は皆そういう判断基準しか持ってないと思う。そして、それに女たちは疲れてしまい、レースから降りるために、結婚しない、子供生まない、挙句の果ては親や社会に反旗を翻した証として、体を売る。(私は読んで、そう思いました)物語では、語り部である主人公、主人公が受けてきた、怪物的な美貌を持つ主人公の妹と比較される人生、通っている女子高での選民意識による疎外感、その中で悪意を磨くことでしか生き残れないという思い込み、さらに、美貌とH好き(!)のために愛玩人形として生かざるをえなかった妹の人生、主人公と同じように平民であるために苦しんできた主人公の友達二人の転落(というかグロテスクな変貌)の過程を丁寧に追う。彼女たちにはそういう価値観じゃない世界もある、と教えてくれる大人は一人もいない(それが唯一不満)ただ、端から見たらひどい人生だけど、逃げ場を見つけた彼女たち自身に悲惨な感じはない。最も悲惨なのは、未だに社会の価値観に縛られて生きているその他大勢の女たちだと思わせる。その他に、絶対的な美の前では、誰もが服従せざるを得ない。しかしその美は永遠ではない。という恐ろしさも書かれている。うーんすごい。これ、日本国民全員に読んでもらった方がいいかも・・・。追伸足の低温やけど、いい感じになってきました!お医者さんも、「いいね!」って言ってたし・・・。ご心配おかけしましたー(^^)