2006/06/03(土)17:29
愛国心
「愛国心」教育基本法の改正でも論議になっている言葉。
教員仲間の中で、愛国心などという言葉は死語になっていると思う。
僕自身も、この言葉を聞くと右翼の宣伝カーが脳裏に浮かんでくる。
大音量で
♪わが大君に召されたる
命栄えある一億の
歓呼は高く天をつく
いざ行け つわもの 日本男児♪
(この歌、小さい頃親父が酔っ払うと良く歌っていたので覚えている。)
と音楽をかけ、日の丸をなびかせながらゆっくり走っていく。
その周りに、ジュラルミンの盾をもった機動隊。
そんなシーンだ。
「教え子を再び戦場に送るな!」と先輩の先生から教えられてきた僕らは、やっぱりこの言葉に反応してしまう。
国を愛する心=愛国心 いい言葉だ。でもちょっと手垢がついた言葉になってしまっているようだ。
「国家の品格」の中で藤原正彦は、愛国心を2つに分析している。
ナショナリズム(国益主義)=自国の国益のみを追求する=戦争につながりやすい
パトリオティズム(祖国愛)=自国の文化、伝統、情緒、自然などをこよなく愛すること
この2つの区別ができるとものごとが良く見えてくる。
僕が「ラストサムライ」や「男たちの大和」の話をすると、それは危ない思想だと議論をふきかけてくる人たちがいる。ナショナリズムに向かう可能性を感じるからだ。
でも僕が言っているのは、祖国愛のほうなんだ、と自分で区別できるようになったのがうれしい。
祖国愛のない人なんていないと思うが、教育の現場では、愛国心はだめ=戦争につながるからという理由で、祖国愛まで捨てさせてきたのではないか・・・。
そういう反省が僕の中にあるのだ。
「日本人が忘れてしまった日本の良さ」それは、祖国愛の範疇なのだ。
この復権は、日本らしい日本を取り戻すことだ。
アインシュタインの言う、「世界が本当の平和を望むとき」のリーダーシップの資質とは何だろう。
自分の国の国益だけを考える人ではない。
その資質をもった人がいるとすれば、日本人が一番近くにいるはずなんだ。
PS
僕の親父も決してナショナリストでもなければ、天皇制賛成派でもない。
日本が大好きな人だ。
愛する祖国を守るために特攻機に乗っていった人たちをたくさん見送ってきた整備兵だった。
そんな若者達を思い出しながら、自分自身に気合いを入れなおすために、あの歌を歌っていたのかもしれない。