答えのない問題を話し合うこと

2024.10.19

カテゴリ：中学受験

何を学ぶべきか＝受験勉強。「知識を強化する」ことが日本の教育のよいとことろだと思います。しかし、子どもも大人も学ぶ側が知識を得ながら「価値観」を構築し、社会の一員として生きていくというが就職活動や研究職に進むという進路という言葉で過ぎ去っているような感じがします。

日本の教養において、「価値観」という言葉はちょっと難しい言葉だなと感じることがあります。

就職活動の時に学生が自分の棚卸しを外部のセミナーやコンサルタントに依頼し、自分の価値観探しをすることがあります。私も面接の助けを求められることがありますが、どういうことを話すかよりも、価値観とその会社の企業理念、働く先輩や仲間と一緒にがんばれそうかと自分で考えられるかに焦点を置きます。

1.なぜ、その業界なのか
2.なぜ、その会社なのか
3.なぜ、自分なのか

自分の言葉できちんと説明し、相手にアピールするように勇気づけて送り出します。

ここで、表題にある「答えのない問題を話し合うこと」の経験が活きてくると考えます。

安定的な国際秩序や民主的な価値や規範の中で、以下の問いはどのように取り入れるか。答えが非常に出にくいです。

例えば、「トランスジェンダーの女性をどこまで女性として扱うか」について我が子に問いてみてください。簡単な議論でいいと思います。
・肉体的には男性
・心は女性
・服装は女性
・公共施設はトラブルが起きるといけないので男性？
・トイレは女性でいいけどお風呂はどう？
・スポーツ大会は？
・医者にかかるには？

トランスジェンダーの女性だけを考えることだけでなく、ステークホルダー（周囲の関係者）、男性・女性双方の立場、世代、健康状態等想定できる切り口はたくさんあります。ひとつずつ議論し、摩擦や衝突を解消していく必要があると考えられますね。

■答えのない問題を話し合ったら
安定的な国際秩序や民主的な価値や規範の中でと先ほど書きましたが、民主的な社会を構築し、存続させるためには自ら考え、ある部分では行動する人になると思います。現時点でどんなことに興味をもつかを考えるきっかけになるでしょう。

リベラルアーツ学部が近年、創設されて久しいです。日本では「何でも学べる」という感じですが、ちょっと違和感ありますね。基本は「自由7科」として基礎的な学芸として「文法学」「論理学」「修辞学」を含んだ3学と、「算術」「幾何学」「音楽」「天文学」から成る4科からなります。（個人的には、３学の文法学が日本では「国語」として薄いなと思います。中学受験では算数・理科に重きを置くことと、プロセスの訓練が時代に合っていたからかと思っています。）時代とともに学問は派生、専門化されているので、人類学、経済学（経営学）、社会学、心理学、政治学、統計学、歴史学、会計学、法学、文学、理学、工学、医学等の知識から教養を身に着け、考え続ける姿勢がある子どもは勉強ができる子どもが多いなと思います。AI学等できるかもしれませんね。

私の場合はすべての「なぜ？」のもとを「哲学」といい、〇〇学という専門の学問に昇華されて、現在も続いているので興味があるものを学ぶといいと私が出会った子どもたちには伝えています。

■そのほかのおススメの「答えのない問題を話し合うこと」のお題