読解力の定義
1.本を読む
2.書かれている内容を理解する
3.行間から書き手の言いたいことを察する
とここではします。
読書とは書き手と読み手が1:1で向き合うため、文字を通じてコミュニケーションが育まれます。
読書をよくする子どもは「感情」が豊かといわれることが多いですが、もう少し細かくいうと「感情を上手にコントロールできるようになる」と言い換えられます。
心情を察することができるので、子ども自身、「対人コントロール」もうまくできます。たとえば、相手をむやみに傷つける言動はしなかったり、トラブルも事前に防ぐことができます。トラブルが起きた時もどうすればよいか。自分にできることは何か。これが「1:1で向き合う」積み重ねが「人と向き合える力」になるわけです。
国語の文章題では問題文を作った人、問題を作成した人、問題を解く子どもの3者がいるということになります。向き合うのは問題作成者と子どもの1:1の文字でのコミュニケーションです。
ここまで読んでいただいたとき、「人の話が最後まで聞けなかったり、コミュニケーションがうまくいかない」と感じる場合はありませんか?個人的な経験上ではありますが「相手の気持ちを察する読解力」が左右していることが要因であることが多いと思います。これは、大人の世界でも同じではないでしょうか。わがままがまかり通っていたり、理路整然と話しているようで、相手に押し付けている人と出会ったことはあると思います。時には社会全体がある意味「読解力」を醸成できる土壌がないのではないかと思ってしまうことも。
読解力は塾で習う国語の勉強だけでは限界があるということは暗黙知ではあると思いますし、そもそも生活になじんだ日本語なので、あまり気にならない場合もあると思います。
小学生時代に、読解力を通じて自分自身で論理的な思考力をつけ続けている子どもであれば、中学、高校に行っても結果として学力が落ちることはないでしょう。(ここでは批判的にものをみるというのも同意と考えています)
□読解力を育む環境
・主要教科以外にも注目する。
たとえば、体育や音楽、図画工作などは、それに集中する時間が学校であるわけですので、きちんと取り組むようにアドバイスすることをお勧めします。集中することで気分転換にもなることと、知的好奇心を広げる意味でも、結果として受験科目への好影響がもたらされることにつながります。
・親自身の読解力を確かめてみる
子どもの読解力を育むために、親としてどのような接し方をすればよいかをちょっと考えてみましょう。「本を読みなさい」では難しいですね。同じ本を読む。一度読んでみて紹介する、一緒に同じ問題問題を解いてみるのもいいでしょう。
・子どものサインを見逃さない
子どもから話しかけられ、忙しくて「ちょっと待ってね」と言ったあとの親の行動がポイントです。一区切りついたら、数分でもいいので、きちんと目線を合わせて向き合る時間をつくる積み重ねです。これがないと子ども自身が自分の要求を伝えたり、親の気持ちを察する機会を失うとになります。子どもに自分の気持ちを分かってくれていると感じてもらうことは、子どもの安心感を醸成させ、生活におけるさまざまな「意欲を持つ」ことにつながります。無視、無関心の傾向が強くなるかもしれません。
・ネガティブ発言や人の悪口は子どもの前ではできるだけ慎みましょう。
ここまで読んでいただければわかりますね。日頃からポジティブに見る目を養っておきたいですね。
□お勧めの習慣
一日の終わりに親子で「今日過ごしてよかったこと」を3つ思い出して言い合う。
いつ、どこで、誰と、どういう内容だったか。どうしてよかったと思ったかをやさしく整理するといいです。子どもにとっては、記憶をたぐり、どんな小さなことでもいいので、いつもと違うことを言うことになります。親から自分のことを話すでもいいですし、子どもから話すでもいいです。これは議論・討論・プレゼンテーションにも役立ちます。兄弟姉妹同士でも構いませんが小学生のうちは親もそばにいることをお勧めします。
・魔法のことば
①「もう一回言って」…子どもが頭の中で伝えたい事項を整理させることができます
②「今、いいこと言ったね」…決めつけそうになったらまずは、そういってみてください。
③「日常会話でも語彙量や表現力が高まるよ」…読解力がつきます
大事なのは「会話する姿勢を見せる」ことです。たとえ、うまくできなくても、「子どもの会話を受け止め、応えようとする姿勢」を子どもは見て育ちます。
頑張れ!受験生!
■オススメ本
ドロシー・ロー・ノルトの本さらっとでも、読んでみて取り入れられる部分があればいいですね。
・デフォルト版
子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫) [ ドロシー・ロー・ノルト ]
・新装版
[新装版]子どもが育つ魔法の言葉 世界中の親が共感した子育ての知恵100 [ ドロシー・ロー・ノルト ]
・日めくり版
日めくり子どもが育つ魔法の言葉 ([実用品]) [ ドロシー・ロー・ノルト ]