「漢字練習は10回ずつ書いてくる。」これは「昭和あるある」といいます。「達成感」と「耐える力」は確実につきますが、記憶が定着するかどうかには個人差があります。むしろ、よりやりたくないという気持ちを増長し、殴り書きしたり、写すことが目的になる場合も多いです。
子どもの一番効果的な漢字練習方法は何かを親子で探ってみましょう。
■練習練習の基本
①漢字練習…教材にそってひととおりよんで書く
筆順や、部首、音読み、訓読み、例文の順で書き始めると覚えやすいです。
※書くときに音読しながら書くと聴覚も強化されます。
②テストで間違えたものを書き直す
1~3回誤答案の上に書き直し、脳内にそのシーンを焼き付ける。
※息を止めて一気に3回書くといいです。(超集中するため)
★1回で覚えることができる子どもに多い漢字練習のやり方
まずは漢字の形を「じっと見る」。この数秒で脳に記憶を処理させます。
たとえば、小中学校で一度は出題される漢字「髪の毛」の「髪」
■理詰めで覚える場合
・部首は上段の「かみがしら」
・音読みは「ハツ」…頭髪(トウハツ)
・訓読みは「かみ」…髪結い(かみゆい)
・例外は「白髪(しらが)」反対語は「黒髪」
このように読んだ後、「髪」という感じを音読しながら書き始めます。
上の部分(かみがしら)と下の部分(友)をくっつけるイメージです。
※基本と類義語や対義語も網羅しながら進められるようにできている教材が多いです。
■感情で覚える場合
「髪」…長い髪をなびかせて決意を固めている友達をイメージする。
髪頭は「長」の下が「ム」ですので口を結んだ状態。決意?怒り?
これらを頭の中でイメージします。
イメージができたら、目をつむり、瞼(まぶた)は黒い状態なのでその上にイメージと一緒に白い文字を書くように「髪」を書きます。
要するに、「見て、瞼に書いて、実際に書く」と3回行動をしています。
もし書けなければ、もう一度イメージして、同じことを繰り返します。
また、黒い状態に白の文字ではなく、実際に「紙に書く」イメージの子どももいますし、長い髪をなびかせている友達をイメージではなく「毛が少ないのでムッとしているおじさん」とイメージする子どももいます。
必ずしも1回で書ける必要はないので、これを2~3回繰り返せばたいてい身につきます。
■ただ書き写しているだけの場合
記憶に残らず、語彙力、読解力はつきにくいです。漢字テストをしても半分前後の得点をとる子どもに多いです。(直前に記憶して、7割程度の正答率の子どももいます。)傾向としては「読めるけど書けない」という場合が多く、特に現在はIT利用で漢字を書く必要はほぼないので、「多くの漢字を書ける必要性があるか」と問われると、困りますね。そういわれたら「ある」とはっきり言ってください。スマホやPCで打ち込んだ漢字や語句も変換がうまくいかないことはあります。文脈を読んだり、感情表現を用いて相手にどう伝えればいいかの「繊細なニュアンスを伝える術」も漢字が思い浮かばなければうまくタイプやフリック操作自体が思い浮かびません。読解能力と説明能力が根本から差がつきます。論理的思考力はなかなか育みにくいですね。
「ただ書き写しているだけ」というメタ認知を子どもができたら、まずはそれをほめて、一緒に行動を変えていくことが大切です。
中学入試や高校入試では算数・国語の配点は同じです。「なんとなくできるから」で、他の教科に追いまくられ、国語の学習に手が回らなくなると、気がついたら国語の学習時間が減っていたなんていうことがないように、漢字・語句・文章読解はコツコツ学習しましょう!「やや大人の文章」を子どもが読んで解いているいるという認識があれば、おろそかにはしないはずです。
頑張れ!受験生!
■漢字の参考書、問題集
【参考書】
・一冊あると便利(旺文社版)
小学漢字1026字の正しい書き方 四訂版 (小学漢字・計算) [ 旺文社 ]
・一冊あると便利(小学館板)
小学漢字1026字の正しい書き方・使い方 [ 小学館 国語辞典編集部 ]
【問題集】
基本や塾や家庭教師の先生のものを徹底してやりきるのが効率的です。
・家庭学習で親子でがっつりやる場合(旺文社版)
中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問 [ 旺文社 ]
・家庭学習で親子でがっつりやる場合(声の教育社版)
これが入試に出る漢字合格の2790題(2) (中学入試用出題ベスト10シリーズ) [ 声の教育社編集部 ]
・家庭学習で親子でがっつりすすめる(分冊版)
漢字の要 中学入試(小6年生対象) STEP1【1000円以上送料無料】
・家庭学習で親子でがっつりすすめる(分冊版)
漢字の要STEP2単元別基礎演習 中学入試小6年生対象 (サピックスメソッド) [ サピックス小学部 ]
・家庭学習で親子でがっつりすすめる(分冊版)
漢字の要(STEP 3) 中学入試/小6年生対象 入試実戦演習 (サピックスメソッド) [ SAPIX ]