2007/01/19(金)20:29
『ターン』
『ターン』 北村薫・著 <17>
事故にあった拍子に、別世界へとんだキミ。
キミと唯一繋がっているのはボク。
キミはその世界でくるりん。
毎日同じ時間を繰り返す。
誰もいないこの世界。
音もなく、同じことの繰り返し。
痛みも物も、また元に戻る。
ある日、信じられないことが。
電話が鳴った!
「切らないで!!」
ふたりは繋がった。
そして・・・・。
あぁ・・・なんていうことでしょう!
これも、純愛・・・なのかもしれない。
あっちとこっちで繋がること。
素敵♪
気に入った言葉をここに。
「でも、空はいいよね。
誰がどう思うだろうかとか考えるわけじゃない。
そんなこと関係なく、
それこそ自然に<空>をやってる」
<我慢>だってそうだ。
強さから出る言葉ではない。
むしろ弱さから出る言葉だ。
「遠慮の綱引きみたいですね」
「おかしいですね、学生の頃は、30も40も
全部まとめて、おじさんおばさんと思っていました。
自分がそうなるなんて百万年も先のつもりでいたんです」
「百万年も一瞬だ」
「愛情というのは、自分が<第一>ではなくなることだと思います。
嬉しく楽しく、自分を捨てられる魔法だとは思います。
でも、雪は白いけど、白ければ白いほど雪だとは限りませんよね。
ごみ出しの競争じゃないんだから、
どれだけ大きなものを捨てられるかが愛の証しだとは限らない」
「うん」
「だって、愛してる人の自己犠牲を目の前にしたら、
見せられる方は・・・綺麗にいえば胸が痛む、
もっといえば、感動するより負担になるんじゃありませんか。
男にしたって女にしたって、
愛している片方が、夢をあきらめて、
その代わり自分べったりになってくれたとしたら、
そんなの我慢できないはずですよね。
ちょっと待てよ、といいたくなりますよね。
だって、自分だけを愛してくれるから、
その人に魅かれるわけじゃないでしょ。
その人が、自分以外の何を、どのように愛するのか、
それを知るからこそ、相手を愛せるのでしょう?」
この地球さえ、いつかは形を失う。
永遠であるというなら、一瞬さえ永遠だ。
こんな当たり前のことを、わたしはどうして忘れていたのか。
私なら、どうするだろう。
だれもいないひとりきりの世界。
そして、1日たつと、必ずくるりんと、元に戻る生活。
(怪我をしても次の日には治る。
何か書いても次の日には消える)
そんな中、最後に彼女が気付いたことは...!!!
あぁ・・いいお話でした。