『恋は人から勇気や言葉やユーモアなどを奪い取ってしまう。』
・・森瑤子著「ヴァイオリニスト」から。
森瑤子の小説って、2~3冊読むと、あとは大体、
そのパターンの繰り返しなものだから、ああ、またか、
と思うことが多いのですけれど・・。
でも、さすが、というか、男と女の真髄を鋭く観察しているところがあって、
亡くなって随分になるけれど、「オッ」と思う一言に今でも出会ってしまうことがある。
今日の一言もそのひとつ。
そうなのよねぇ。日頃は頭の回転が速いはずなのに、
恋しちゃうと、ゼンゼン回転しなくなっちゃうんですよねぇ。
だから、話題も乏しくなるし、気の効いた一言も、思い浮かばない。
言いたいことも言えないし、そもそも、何を話していいのか、分からなくなってしまう。
結局、「なんか、キミってつまんないねぇ」と振られてしまうのだ。
世の中大抵、思いの強い方が負けるのは、
そういうことだったのかもしれない。
そういえば、とさらに思う。
最近、そういうことがない・・。
誰に対してもオドオドしなくなってしまった自分がいる。
世慣れたからだと思っていたが、
ウーン、恋に縁なくなったせいだったのかも・・。