ベンジダン氏は、退役警察官です。
映画「ゴッドファザー」に出てきそうな面構えで、
今は警備官として働いています。
彼には、12人の子供がいて、その全員を大学まで出していて、
「家には、あらゆる分野の専門家がいる」と豪語しています。
アルジェリアの大学は、ほとんどただみたいな授業料ですから、
それが可能なわけですが。
父親は、オリーブ農園を持って、裕福だったけれど、結局、
財産を全部失ってしまった。だから自分は、
失うことのない財産である教育を、子供達に捧げようと
思ったのだ、と言っています。
彼のお子さんのうち、すでに9人が結婚して、孫も増え、
子どもたちが一堂に集まる時には、凄い人数になるのだそうです。
「それこそ、この世の至福なんだ」嬉しそうに言います。
「奥さまはずっと、大変だったでしょう」と聞くと、
「家のことを全てやってくれた。あんな素晴らしい女性はいない」と自慢します。
アルジェリアに対して、いろいろ不満はあるのですが、
こと「子どもを大事にする」点では、素晴らしいものがある。
3人、4人は当たり前で、経済的に許されれば、
いくらでも欲しいと思っているようです。
小さな子供がいると、みんな、目を細めていますし、
昼に夕方に、送り迎えの親たちで、
学校の前は、いつも大渋滞です。
そんな中に、「少子化対策」のヒントでもないかと
探してみるのですが、男も女も、
「なによりも家族が大事」と信じる、
その辺の思いに、あるのではないですかね。
今やアルジェリアでは、テストをすると女性の方が成績がよく、
意欲も増し、どんどん、社会進出しているわけで、
そうなっていくと、どうなるのでしょうねぇ。
さすがに12人もの子供を育て、家をひたすら守って行く母は、
消えていくのかもしれません。