東京の我が家から駅まで歩く間に、交番が3つもあるんですが、
そこを通るたびに目に入るのが、
オウム真理教の容疑者3人の顔写真でした。
しっかり、お尋ね者として、ポスターを出してはいるけれど、
そのポスター自体が、そもそもすすけたように古くって、
「こんな古い写真じゃ、見つかるわけないのに」
と、とりあえず捜査の形は取っているけれど、
さほどのやる気のなさを、なんとなく、感じていたものです・・。
今回、その一人の平田信容疑者がわざわざ自首してきたのに、
その彼は、まず捜査本部のある大崎署を訪れ、署の掲示板に
自分の手配写真が無いので、出頭を諦め、
近くの公衆電話から10回も特別手配容疑者の情報提供を募る
フリーダイヤルにかけたのに、話し中でつながらず、
仕方なく110番し、名乗らず「平田信の担当の警察署はどこか」と聞いたら、
「警視庁です」と言われて、行き先を警視庁本部に変更。
わざわざ大崎駅から恵比寿駅まで行き、さらに乗り換えて、
東京メトロ日比谷線の霞ケ関駅で降りて、本部に行ったんですよね。
警視庁本部で「特別手配の平田です」などと何度も名乗ったのに、
警戒中の機動隊員に門前払いされ、
丸の内署まで歩いて出頭した・・。
ここでも、女性警察官に名乗ったものの「ウソ」と疑われ
「ほら僕、背が高いでしょう」と主張して、ようやく、
署内に引き入れられ、最終的には
指紋照合で本人と確認され、逮捕された・・とか。
なんだか、ふざけた映画のシナリオみたいな話ですけれど、
これはもう、どうしようもなく、警察のチョンボですよね。
それは警察側も自認しているようで、あわてて機動隊100人も出して、
平田容疑者が、奪還されないように、見張らせてみたり、
なんとも、「なに、やってるんですかい」状態であります。
せめて、「いやあ、これじゃあ、逮捕できなかったわけだわい」
という理由を見つけたいと思ったのに、当人は整形していず、
海外逃亡もしていなかったという・・。
警察幹部は、もう、面目ないことこの上ない・・でありましょう。
この失点をどうするのか。
ちょうど、Jeffery Deaverの
「Sleeping Doll」を読んでおりまして、
この小説の中でも、警察幹部は、
いかに失態の責任を誰かに押し付けるか、
事件の解明よりも、そっちに力を注いで、よけい、
事件を、面倒にしているんですね。
日本の警察幹部が、そうだとは思いたくないですが、
チョンボはチョンボとして認め、きちんと事件の解明に、
エネルギーを注いで欲しいと思いますね。
平田容疑者は、自身を“スルー”した機動隊員に対して
「自分(平田容疑者)が悪いのに、責任を問われるのはかわいそうだ」
と気遣っていたそうです。
警察が、容疑者に気遣われて、どうする・・と思いますよね~。