2012/01/05(木)06:55
一国のリーダーに必要なもの
1月4日・産経新聞の、中曽根康弘元総理のインタビュー記事。
最近の中曽根氏のコメントは、政権与党に気を使っているのかしら、
という感じのものが多かったんですが、今回は、聞き手が、
あの阿比留瑠比氏だったからか、かなり辛辣にリーダー像を語っていて、
なかなかに、面白いかったですねぇ。
詳細は、記事を読んでいただくとして、特に興味深かったのは、
菅総理がカナダサミットに出席した際、
首脳たちの輪に入れず独りぼっちで立ち尽くした件。
そう、あの時もマスコミは、一人ポツンと離れている菅さんの姿を撮って、
散々に、悪口いってましたっけ。
菅さんに限らず、毎回、こういう機会には、日本の総理が、
どれくらい、各国首脳の中に入り込んでいけたか、いけなかったかを、
マスコミは、ガンガンとチェックし批評していますが、当事者にとって、
これは、かなり、辛いものなんだと思うんですね~。
私は以前から、こんな辛い思いをするのに、どうしてお偉くなると、
こういう会に出席したがるのか、不思議でしたもん。
中曽根氏は「それは私以前の首相たちもみんなそうだった。
国際会議のコーヒータイムでは米欧勢が集まって
コーヒーを飲みながら話をするんだが、日本の首相は
離れて独りで立っている。だいたいそういう光景だった。
私はそれを見ていたからそうさせないように真剣に努力した。
レーガン氏も助けてくれたしね。」と語っています。
重要度はゼンゼン違いますが、いろんな国を経験してきましたから、
私も、そういう類のパーティーに出ざるを得なかったことは多々あります。
話の輪の中に入って行く・・って、これ大変なんです。
言葉のハンディはありますし、私なんか特に、取り柄もない主婦ですし。
こんな私と「ぜひ、話をしたい」と思う人は、誰もいないわけです。
そんな中で、どうするか。
まず、入り口でワインかカンパリソーダーをキュッと引っかけます。
少し、勢いを付けたところで、少しでも顔見知りがいる輪に近づいて、
「あ~ら、みなさん、何を話しているの」と言ってみる。
大抵、誰かしら親切な人はいるもので、
「こうこう、こんな話よ」と答えてくれます。
そこで「ほう~」と、面白くても面白くなくても興味を持ったふりして、
で、「あ、私は、どこそこの、だれそれです・・」と
自己紹介してみるんですね。
それでなんとか、しばし・・は持ちます。
その際、必要なのは、言葉が苦手なことは無視すること。
それと、オドオドしないこと。表向きだけでも、堂々と振舞うことですかね。
無視したところで、会話に付いていけない事実は、どうしようもないんですが、
「へぇ~」とか「ほう~」とか、感心したり驚いたふりしていれば、
結構、間は持つもので・・。
それに、オドオドしているのが見えるだけで、軽く扱われます。
(さんざん、軽く扱われてきましたから~)
歴代総理も、菅さんも、そうやれば、少なくとも、
傍目には「会話に入っている」ふりができたのに・・ネ。
で、大事なのが、勢い付けと、マイ語学のレベルを忘れるための、
一杯のアルコールですかね。
こうして、一人の酒好きオバサンが、出来あがってきたわけですが。
なお、中曽根氏曰くの、「国家のリーダーに必要な資質とは」
先見性、次に説得力、それから判断力と国際性。
さらに総合的な人間的魅力と落ち着き。
頑なでない人間的な余裕や融和性、人間性など
自然にあふれ出るものも大事な要素」なのだそうですよ。
そんな人、いるかい・・と思いましたけどね。