神谷ちづ子・ついつい・一言

薪を背負いながら、本を読み続ける少年・・

以前は、どこの小学校の校庭にもあった、

あの二宮金次郎像が、小学校から消えつつあるそうです。

まあ確かに、コンクリート打ちっぱなしのモダンな校舎に、

あの像は、似合いはしないよな・・とは思うし、

時代と共に役割交代ということはあるものだし、

あの像のあるなしが、とてつもなく重大なこととも思いませんけれど、

その撤去理由と言うのが、なんとも引っかかるんですよね。

・児童の教育方針にそぐわない。

・子どもが働く姿を勧めることはできない。

・戦時教育の名残だ。

・歩いて本を読むのは危険・・。

あの像から、「働きながら学べ」とか、「歩きながら勉強せい」とか、

そんなメッセージを受け取る人って、いるんですかね。

いるとしたら、あまりに浅薄、あまりに表層的、

物事の本質を見抜けなくなっている、昨今の日本人の、

問題点そのものではないか・・と危ぶんでしまう。

好評のNHK朝ドラ「カーネーション」でありますが、

ヤフー上の、視聴者の感想を読んでいて、びっくりしてしまいました。

今日は、主人公・糸子の、妻子持ちの周防さんへの密かな思いとか、

幼なじみ・奈津の結婚相手に、「あの子に殴られて血だらけになった」とか、

「あの子は、ワケありですよ」と言ってしまうシーンだったんですが、

それを見て、不倫はいけない、朝から不倫のシーンを見たくない、

結婚相手に、友人のことを足ざまに言うなんて、ひどい・・などなど

そんな感想を書き込む人が、意外と多かったんです。

このドラマは、とてもいい脚本と達者な俳優さん達とによって、

人間のビミョーで複雑な思いを、丁寧に丁寧に描写していて、

フツーに見ていれば、主人公の、懸命に抑えている恋心、

悪口言いながらも、幼なじみを大事に思う気持ちなんかが、

ヒタヒタ十分に伝わるはずなんですが、

それを見て取れない人がいるんですねぇ。

二宮金次郎像のニュースと重なって、

ああ、そういう人達が増えているのかなぁ、

ＴＶドラマの質の低下と、漫画の影響かなぁ・・

なんて考えてしまいましたが。

最近どうも、「どうしてそう解釈するのか、ワケが分からん」

という人達が増えているような気がしています。

気のせいでしょうか・・。

だったらまだ、救われますけど。