神谷ちづ子・ついつい・一言

2012/04/10(火)00:00

映画「2012」を観ました

ご紹介(147)

 DVDで、ローランド・エメリッヒ監督の『2012』観ました。 パニック物って嫌いなんですが・・ついつい。 しかし、腹立つ映画なんですね。 古代マヤ人が2012年に訪れると予言している、と言われている世界の終末。 その話なんですが、インドの若き科学者が地球上の内核が溶解している事を発見するんですよ。数年後に地殻変動により世界が滅びる、と。 それを知ったアメリカ大統領は、イギリス、ロシア、フランス、 ドイツ、イタリア、日本の首脳を集め、極秘でチョーミン計画とやらを 遂行するんですね。せめて人類の一部と、世界の美術品を残そう・・と。 で、いよいよ、大地震、大噴火、大洪水が始まって、 都市が次々と沈んでいく。(この辺の映像は、さすがハリウッド映画です) その中で、各国首脳がどうするかというと、中国の山奥に作っておいた、 現代版ノアの箱舟に、なんとまあ、自分達だけ避難して行くわけですよ。 あと、大金を積んだ金持ちも、密かに購入しておいた乗船券を手に、 集まって来る。 アメリカ政府中枢部のお偉いさんたちも、一部の秘密を知っているトップだけ、 国民見捨てて、自分達だけ避難する。 さすがに大統領は「国民の真実を知らせる義務がある」と残るのですが、 大統領の娘は、当然のように避難する。 地殻変動を大統領に知らせた若き黒人科学者も、「将来を担う人材」として避難船に乗る権利を得ているわけですが、正義感らしい彼なのに、 政府の中枢の連中ばかりが避難出来ることに、 違和感をゼンゼン感じていない。大統領の娘も、父親が残ることには涙しても、国民を見捨てていくことに、恥のかけらもない。 で、中国の山奥に、何台もの巨大な現代版ノアの箱舟があって、 赤い制服着た中国の警官だか軍人だかが守っているんですが、 さすがに中国製なのか、一機が、動かないことになってしまう・・。その一機と言うのは、都合良く「金持ち用」の船なんですね。 すると各国の要人たちは、「しかたない」と彼らを残して自分達だけ、出発しようとする。 その船だか箱舟だかを整備していた中国人達をも、 当然のこととして、残して行こうとする。 さすがにその正義感の科学者が「それはいけない」と意見して、 各国首脳は相談して、美しい合議でもって全員を収容する・・。(ここが、感動するシーンになっているらしいところが、呆れます) 映画では、離婚したアメリカの家族が、ギリギリのところで逃れて、 家族再生をも果たす・・というストーリーも入れこんでいるんですが、 エベレスト山まで達する津波が押し寄せ、箱舟も翻弄されながら、 それでも最後には水も引き、アフリカ大陸だけ残った、という情報を得、 で、人々は、船の扉を開け、光り輝く外に出てくるんですね。 にこやかに、ああ、なんて地球は美しいのだ・・と。 おいじゃないですかね。金持ちと政府要人だけ残るストーリーって。 人類の大半が死んじゃった、というのに、この人達の明るい笑顔はなにじゃないですか。しかも若き黒人科学者と大統領の娘のロマンスまであって。 恋愛している場合かぁ・・でありましょうが。 酷い映画もあったものだ、と思っていたんですが、 ある人のブログに、これは「壮大なローランド・エメリッヒ監督の皮肉である」と。 なるほど。そう考えると、納得も出来る。 人類は助からず、アメリカ政府は、なんの力も発揮できず、 権力と金ある者だけが、中国の技術によって助かる・・。 現実を皮肉った映画として見たら、相当に面白いかもです。 この映画によると、日本はあっという間に海の底に沈み、 ダライラマは、エベレストの山頂で、一人動じもせずに、 静かに鐘を突いて、津波に飲まれていく・・ことになってます。2012年、なにかある・・といわれていますが、私たち庶民は、ひたすら運に身を任す・・しかないのでありましょうねぇ。

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