アルジェリアでテロに襲われた方々が、帰国されました。
ご遺体での帰国は無念ですが、日本に帰国できた、
という一点だけでも、ああ、よかったな、と思います。
亡くなられた方も、ほっとされているのではないか。
今回、被害者の氏名公表に関して、物議が醸されました。
正直、その是非には、複雑な思いがあります。
そっとして差し上げよう、という思いの反面、
例えば、学校や職場で一緒だったぐらいの、少し距離のある知り合いでも、
「ああ、彼は壮絶な人生を遂げたのだ」と記憶に留め、
心に残してくれるならば、意義はあるのかな、とも思います。
ただ、日揮や被害者の家族が「公表は控えてくれ」と
頼んでいるのに、「報道の自由」を御旗に公表を迫り、
某報道番組のように「被害者の名誉のために」と称して
発表するのは、「マスコミの傲慢」以外のなにものでもない。
いつの間に、マスコミって、こんなにエラソーになったのでしょうね。
これから、遺族にマイクを突き付け、
お涙頂戴の取材が当分、続くのだろうけれど、
マスコミがやるべきことは、そういうことではないですよ。
アルジェリアや周辺国にすぐにも飛んで行って、
企業戦士たちが、どういう環境でどういう仕事をしてきたのか、
砂漠の真ん中のプラントが、どういうものなのか、
北アフリカの政治状況が、どういうことになっていて、
今後、安全確保をどうしていくべきか、ということを
取材し検証し、広く伝えるべきじゃないですかね。
遺族を追いかけ、アップで老母の悲痛な表情を映しだし、
「今のお気持ちは?」などと愚かな質問を繰り返していないで。
安易な取材に甘んじていないで、もっと、
ジャーナリストとして、やるべきことをやれよ
と思いますけどね。