神谷ちづ子・ついつい・一言

オンライン旅行会社、Expedia Inc.が、

日本在住の20～60代の外国人女性200名を対象に行った、

日本文化や日本人に対しての意識調査があるんですね。

それによると、外国人が日本に来てびっくりしたもの1位は

「音姫」、2位「豊富な種類の自販機」、3位「コンビニの多さ」、

4位「ウォシュレット」、5位「こたつ」・・だったそうです。

なるほど、音姫ねぇ・・そりゃ、そうだ・・とにんまりしてしまった。

「音姫」って、何と言う人のために説明すれば、

トイレの最中、排泄音が聞こえないように、その間、

水が流れる音を立てる装置なんですね。

日本の女性が、排泄音を聞こえないように、とそれだけのために、

トイレで無駄な水を流すのを防ぐ効果があるわけで。

なにしろ日本の女性は、トイレで平均、2,5回、水を流すんですって。

確かに私も若い頃、排泄中も水を流していた記憶があります。

タンク型のトイレだと、それで1回流しちゃうと、

再度水が溜まるまで時間が必要で、よって、トイレから出るまで、

やたら時間が掛かったものでした。

いつの間にか年と共に「トイレで排泄するのは当たり前の行為でしょ」

と開き直るようになって、音姫よりは、ウォッシュレット・・

と達観しているんですが、我が友人の、若くもない逞しき女たちでも、

「いやいや、ウォッシュレットよりも音姫が優先」

「音姫がないなんて、あり得な～い」なんて断言する人達がいる。

数日前に紹介した川上弘美の小説「これでよろしくて」でも、

音姫を使うのはなんとも卑怯な気がして嫌いだ・・という女性の話が出て来て、

で、ある時、職場のトイレの中にいたら、若い女性達が入って来て

歯を磨きながら「使用中に音姫を使わない人って、

とんでもないマナー違反よねぇ、絶対許せない」

なんて話しているんですって。

出るに出られず、若い子達が去って行くまでじっと待って、

思いっきり音たてて排泄して出てきたわ・・というくだりなんですが。

分かるような気がしてクスクス笑ってしまいましたよ。

とにかく、ウォッシュレットは少しずつでも世界に普及しつつあるけれど、

音姫だけは、若い子達がなんと言おうと、

「日本特有の」「日本だけの」特殊な文化と言うか装置だと思いますね～。

ところで、音姫って、一般名詞ではなくて、

1988年に出したTOTOの登録商標なんだそうですね。

当初、ネイミングに当たり、候補の一つに「押しっこ」というのも、

あったんですって、当然ながら却下だったそうですが。

INAXも出しているのですが、音姫が、完全に普及しちゃっているので、

「TOTO音姫ーINAX版」・・なんて命名で、販売している。

それ以前、1979年に別会社から「エチケットーン」

というのが販売されたのが、そもそもの最初らしいけれど、

それはどうなったんでしょ淘汰されたのだろうか

エチケットーンだったら、音姫の方が勝つよなぁ。

でも、海外進出を図るなら、「音姫」じゃないような気がするが。

ところで、びっくりしたんですが、

「ケータイ音姫」ってのもあるんですねぇ。

安いのは690円から、高いのは15000円もする

いつもバッグに入れておいて、トイレの度に、

取り出してビーとか鳴らすのだろうか

ウームですかね。