ラストゲーム 最後の早慶戦
しばらく行けないであろう所へ行こうというコンセプトのもと、映画館へ行った。選んだのは「ラストゲーム 最後の早慶戦」という映画だ。 この映画は、太平洋戦争のなか、学生であるため徴兵を猶予されていた大学生達が、戦況の泥沼化とともに徴兵されることとなり、学徒出陣を前に、「生きた証」として「最後の早慶戦」が早稲田大学戸塚球場で開かれたという、実話に基づいた話。 映画を観て思い出したのは、昨年読んだ横山秀夫著「出口のない海」だ。どちらも戦争に赴く(赴いた)大学生が主人公で、野球が物語の重要な要素になっている。 こういう話を目にすると、日本は、そして世界は戦争のためにどれだけの優秀な人材を失っているのだろうと考えてしまう。 それ以前に、「人材」などという見方をしなくても、為政者を選ぶ歳になるかならないかの若者たちが、国に都合の良い考えを教え込まれ、自ら命を差し出さざるを得ない状況に追い込まれるというのは、本当に切なく恐ろしいことだ。本人・家族はどんな思いだったのだろうと、やるせない気持ちになる。 映画の出来云々はよくわからないけれど、こういうことが60数年前の日本で起こっていたということを、日本人として知っておくことはとても大切だと思う。最後の早慶戦