2010/01/15(金)15:18
実践・小学生のためのなんちゃって俳句指導
↓前記事の続きです。
……「ちゃれんじ」(通信教育)の丸暗記で俳句をつくった次女ぴん(仮名)、俳句の作り方がわからないというので、いよいよ本領発揮(嘘)の母(子規ファン)が、嬉嬉として指導に乗り出した!
まずは、問題の「ちゃれんじ」該当ページを拝見。
(まだ丸付けしてない頁だったのよねん。←そこが既に問題。爆)
「冬のかるた」というお題で、虫食いの句が三つ挙げられていて、選択肢の中から当てはまる語を埋めていく問題。
○○○○○ 出たくないんだ 寒いもん
○○○○○ 石で目をつけ できあがり
○○○○○ はめればおてて ぽっかぽか
選択肢 こたつから/ゆきだるま/てぶくろを
ふんふん。
じゃ、せっかくなのでこの穴埋め、選択肢以外をいれてみよう!
……実は、こういう大喜利系は長女が大得意。笑
ものの1秒で改作してしまった。
ふとんから 出たくないんだ 寒いもん
おお。リアルじゃ。笑
(打ち合わせしたわけでもないのに、長女、有能なアシスタントだこと。笑)
むしろあなたがたの場合、
ふとんから 出られないんだ 寒いもん
ですかね。
出たくないという明確な意志表示ではなく、いつも怒鳴る母に申し訳ない気持ちというか、朝のもどかしさがよく出ていい句である。笑
そう
出たくても 出られないのが 冬の朝 (母)
朝ランをサボっている言い訳を句に込めてみたが……さすがにちと言葉足らずか。笑
というわけで「おふろから」「おうちから」などなど、いろいろな場面を考えつつ、次々に新作をひねり出していく。
どう、楽しくなってきた?
次。
ちゃれんじの2問目は、
ごちそうを いっぱいたべたんだよ うごけない
という駄句(爆)の添削。
ごちそう=おせち、という肝心なところを例のイラストで処理してしまっているので、これはまあいろんな意味での失敗作例。
私としては添削したいところは多々あるが(笑)、ひとまず出題意図に従うとすれば音数合わせになる。
「いっぱいたべたんだよ」(10音) → いっぱいたべて(7音)
という添削方向になるのだろう。
ま、私としてはこんなの些細な事項である。笑
早くから音数合わせにこだわりすぎると、ろくな句にならん。
たとえば、
おせちをね いっぱいたべた お正月
こんなふうに、最初に思いついた語に助詞やら接尾語を無理矢理つけて表現してしまう、子どもにありがちだがダメだなあと思う句の典型である。
(「おせち」という3音の語をつかいたければ、3+4の音が使える2句目に投入して、別の表現を考えた方が良い。)
ちなみに長女も昨年、
秋の日は 地面いっぱい 落ち葉の葉
という句をつくっていたが、これも「落ち葉」の3音を使いたいばかりに新語をひねり出した苦肉の策の一例であろう。
ま、「落ち葉だね」などではなく「落ち葉の葉」としたのはよく考えたし、意外とおもしろい語感なので可。←娘には甘い。爆
というわけで、ちゃれんじに戻るが、この問題にはこだわらずに、さっさと終わらせたらよろしい。
ぴんの答えは、「いっぱいたべた」であったが、もちろん○。
さて。
いよいよ作品づくり。
まずは、教科書のセオリー通り、「冬のことば」すなわち主題となる単語(だいたい季語になる)を集める。
おとしだま
おおみそか
はつもうで
おじゅうばこ
たこあげ
はねつき
……
学校でもやったのだろう、それはそれはすらすらと17個くらいの単語をノートに書いたぴん。
いちいち指を折って音数を数えているのだが、これはまあ慣れ。
大量に句をよむうち、リズムでおのずとわかるようになる。
そう、音数は遊びを通して体にたたき込むのが近道。
あの
せりなずなごぎょうはこべらほとけのざ……
方式で、季語ぜんぶをつないだ句とかもできる。
(ちなみに私の会社の先輩の句で、「ねぎショウガ」にはじまる冷や奴を詠んだ句があるが、こんなのはまず秀逸。笑)
語句を書いたところで、子どもはリアル体験を題材にするのがよろしい。
たこあげやはねつきなど、実際やってない事項(爆)を除いてお正月のことを話題に出し、感じたことを少しずつ思い出させていく……ここは重要。
形式に通じたって、表現したい内容がなければ意味がない。
(ブログだって続かないからね。笑)
おとしだま アイロンビーズ かったんだ
という、まずは日記がわりの1句(笑)が出来た。
ま、はじめはこんなところからでよし。
正岡子規は、年に3千句だったか、ともかく数をこなせ、と弟子たちに指導したそうである。笑
ぴんの話。
「大みそかは、人がいっぱいいて……」
うんうん。
「あつかった」
へええ?
お鍋してたから?
「ううん。みんなでならんでたとき……」
ああ。それ、大みそかとつながってたけど、はつもうでだったよね。
お参りに並んだとき、空気はあんなに寒かったけど、ぴんはあつかったの?
はつもうで 人がいっぱい あたたかい
ほら、もうこんな句ができた。
(やや技巧的な成立ではあるが。笑)
さらに、
「(学校で)はいくのよこに、おせちの絵をかいた……」
というので、そこから、ぴんは大みそかにお手伝いしてくれたね、話を進めると。
そうだ!
と、目を輝かせたぴん、まさかの名句を書いた。
おかあさん ぴんのポテトを おてつだい
ええっ。
私が手伝いかよ。爆
突っ込むところ、そこじゃないか。
手伝い扱いには目をつぶるとして……
きたー。
これぞ、今のぴんにしか書けん句ぞな!(しつこい)
しかし季語としてポテトではわかりにくいので、いくつかアドバイスをして
おかあさん ぴんのおせちを おてつだい
として上記2句とともに提出し直すことで合意した。
句に堂々と自分の名前が入ってるのも、なかなか新しいではないか。笑
……やれやれ。
あとは学校への連絡だけど、これは連絡帳を使って私の方から事情を書き、「ノートに作り直させたので再度見てやって下さい」と改めてお願いをした。
ぴんの話だと、ほめられた盗作の句は「えんぴつで書いた」ということなので、まだ書き直しできると思うのだが……。