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2016.11.24
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 ひろし君より少し上の年代のあんちゃんたちは、庭先でベーゴマで夢中になって遊んでいた。ベーゴマとは、鉄でできた貝殻のような小さな駒をバケツに張ったビニールシートの遊技台の上で戦わせるゲームである。古くは平安時代に京都の周辺で始まったといわれ、バイ貝の殻に砂や粘土を詰めてひもで回したのが始まりといわれている。

 勝敗の決め方は、複数人が遊技台でベーゴマを回し、当然弾き飛ばされた駒は負けとなり、最後まで遊技台の上で回転し続けたベーゴマが勝ちとなる。またそれが「本気勝負」なら勝負に勝った者が、負けた者の駒を総取りすることが出来るのだ。
 小さな駒に紐を巻いて、一斉にバケツの上にピタッと落とすため、まだ低学年の少年達には難しくて遊べない。当然ひろし君もまだベーゴマはうまく扱えなかったし、このゲームをやる同年代の遊び仲間もいなかった。

 だからひろし君たちは、ベーゴマよりもメンコのほうに夢中になっていた。メンコの語源は「小さな面」、つまり面子を意味していた。すなわち小さな厚紙の片面に写真や図柄を貼り付けたカードを大地に叩きつけて、相手のカードを裏返しにすれば勝ちとなるゲームなのである。地域によっては「メンコ」ではなく、めんち、ぱんす、ぱっちんとも呼ばれていた。
 ひっくり返されると負けになるので、裏にロウを塗って重くしたメンコを使う者もいたが、汚ないのでひろし君はロウが塗られたメンコが大嫌いだった。またひろし君が好んだのは、マンガや映画の主人公の絵が貼られているメンコで、汚れるのが嫌なので勝負には使わずに、宝箱の中に大切に保管していた。

 このメンコも本気勝負があり、勝てば相手のメンコをもらえるため、ベーゴマ同様学校では禁止されていたが、面白くないので誰も本気勝負以外はやらなかった。ただ思い切りメンコを大地に叩きつけるため、指をコンクリートにぶつけたり肩が痛くなったりするので、いつの間にかひろし君はメンコをやらなくなってしまった。
 その頃になって周りのメンコ仲間たちも、あっという間にいなくなり、メンコというゲーム自体の流行も終わってしまったのである。その後一時的に牛乳瓶の蓋をテーブルから落ちないように飛ばして、その飛んだ距離を競うゲームが流行ったが、これは1年も経たないうちに廃れてしまったようである。

作:五林寺隆

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最終更新日  2016.11.24 16:31:55
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