春ですもの、春よ恋、春の恋しました、
蓬色(よもぎいろ)が枯草を押し上げて、
タンポポの黄色が揺れて
つくしんぼうが背伸びして、
ホーホケキョ、鶯も唄いだし、
野原いっぱい、春ですよ、春ですよ、
春風が
恋をしましょうと囁きながら
私の頬をなぜていく
春ですよ、春ですよ、恋しましょう、恋しましょう、
笑って泣いて、ドキドキしましょう、恋しましょう、
恋しなくちゃ、青春じゃないですよ、
そうだ わたしだって、恋しなくっちゃ、青春だもの、
春に誘われて、少し焦って、こころも明るくなって、
恋します、恋します、恋をしなくちゃという思いいっぱいで、
あなたの胸に飛び込みました
春だからだけではありません、
誰でもよかったのでもありません、
あなたのことが好きだったのです、
春に騙された訳でありません、
けれども、春は短い季節でした、
艶やかに咲き誇った桜の花は、
雨にうたれて、あっという間に散りました、
桜の木の裏で、夏が笑いながら
「もう、春はおわりだよ」と、囁いていました、
あなたは わたしの前から消えました、
何にも言わずにいなくなりました、
思い切り泣きました、体を震わせて、えんえん泣きました、
真珠の涙のような、綺麗な涙で泣きました、
やっぱり、春に浮かれて、
恋に恋しただけのことだったのでしょうか、
ただ恋にあこがれていただけだったのでしょうか、
いいえ、たしかに、まちがいなく、あなたのことを恋していました、
片想いだったけれど、たしかに恋していたんです、
春恋、、、あなたは何者ですか?
わたしに悪戯をして逃げた 春恋、、、
また春がきて、春色の風が吹き
伊勢正三のメロデイーが流れると、
ふっと、照れたような あなたの横顔を思い出します、
いま、どうしてますか?
あなたのこと、好きでした、
作:深田みつこ
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