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カテゴリ:ひろし少年の昭和ノスタルジー
ひろし君が小太りの三山孝之と仲良くなったきっかけは『漫画』である。二人とも漫画が大好きで、漫画本を沢山読んでいたこともあるが、二人揃って授業中に漫画を描いて先生に叱られたことが親近感を抱いたのだ。それにしても担任の先生は、なかなか粋な先生だった。授業中に漫画を描いていたことを叱ったものの、二人の少年の絵の巧さに感心して通知表の『図工』に5点を付けてくれたのである。そのお蔭でひろし君の両親の漫画に対する理解度がアップしたのが非常に嬉しかった。 今年も三山君の誕生会がやってきた。お爺さんが会社の社長をしているので、大きな家に住み毎年孫の誕生会を開き、親友だけを招待しているのである。そして自宅でお爺さんが8ミリの漫画映画を上映したり、お母さんが百人一首を詠んだりするのである。小さな和菓子屋のひろし君にはまるで別世界の住人達であったが、ひろし君はこういう雰囲気が大好きで、誕生会が終わった後も、一人残って夕食までご馳走になってから帰宅したものだった。 この誕生会に呼ばれたのは、ひろし君とひろし君の親友の小場君に加え、なんとミス山崎小学校の『野添小百合』だったのである。どうして彼女が三山君の誕生会に呼ばれるのかその真意は不明だが、家が近いというのが表向きの理由であった。 野添小百合と言えば、入学式にひろし君の隣の席に座り、いきなりひろし君の家に遊びに来た超・美少女である。あの時はひろし君も恥かしがって不愛想だったため、翌日から小百合は別の席に移動してしまい、その後ほとんど口を利いてもいなかった。だが三山君の誕生会の日は良く笑い、ひろし君とも親し気にお喋りをしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.12.13 12:20:18
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