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カテゴリ:小説
八ヶ岳山麓の豪華ワンワンロイヤルリゾート『綱吉』、そのゲートを潜れば別世界の快適な環境の犬の天国が拡がっていた、ワンワン。犬たちはリゾートの中では全く自由を謳歌しているようだが、足にはグーグロが開発したGPSつきの『AI犬縛りシステム』の帰館コールの信号がついた足輪が嵌められていた。 自由に遊んでいた犬たちに、やや違った動きが見えたのは秋の午後の日のことである。ドッグランの丘の上にある、すり鉢状になっている音楽堂に101匹以上の犬たちがざわざわと、集まりだしたのである。ワンワンその音楽堂の壇上で、黒毛の青年犬のラブラドールが弁論を始めた。ワンワン犬たちは、ラブラドールに注目し、首を傾げたり、しっぽを振ったりして、話を聴いていた。 「今、犬は人間を超える時がきたのだ、ワンワン、ハウンドドッグじゃねんだ、ワンワン、ホットドッグじゃないのだ、ワンワン。臭覚は人間の10万倍、聴覚は人間の4倍も優れているのだ、ワンワン。人間の2倍の速さで走れるし、ワン、俊敏性は人間の5倍以上だ、ワンワン、勘のよさ、危険を察知する能力、敵を見分ける能力、不審者を見つける能力は 集まった犬たちに動揺が走っていた。ラブラドールの言ってることに「その通りだ!」と、共感する部分もあったのだが、危険思想の臭いも感じ、どう行動すべきか判断がつかなかった。キャァンキャァン、、 (つづく) 作:朽木 一空 ※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。 またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.09.30 14:58:27
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