犬の幸せって、なんだっけなんだっけ 2
尾を振る犬は叩かれず、吾輩は忖度犬である、 お犬様上位の世の中をつくった徳川綱吉の末裔である松平綱吉も、何か犬のために役に立つことはできないかと考えた末、『わんわん保険』という、犬の保険を企画し、販売したのだ。 全国で1000万頭、10世帯に一軒は犬を飼っている時代である。ワンワン犬はペットではなく、パートナーであり、人間の家族になっていた。人間の子供と同じ、否、子供は親に反抗し、親を捨てるが、犬は逆らわず、裏切らず、人間の方が捨てない限り、生涯の友でいられる。ワンワン。 人間は犬を自分の子供以上に大切にし、お金もかけていた、ワンワン。しかも、所得が高い家ほど、犬を飼い、かつ、溺愛する率が高かった。犬の健康にも飼い主は気を使う、犬に健康食品を与え、エステで体を磨き、犬のヨガクラブ、犬専用スイミングスクールに通わせる。 そんな犬ブームに乗って、松平綱吉の『ワンワン保険』は大当たりした。ワンワン。飼い主にとって、可愛い可愛い愛犬の心配は病気や怪我であった。 愛犬がもし、癌になったら、鬱病になったら、痴呆症になったら、交通事故にあったら、、病気や怪我での、通院費、手術費、入院費、薬代はもちろん補償するが、人に怪我をさせたり、物を壊したりした時の賠償責任保険も特約でつけることができた。 ワンワン保険は大反響で契約は順調に伸ばし、今や10万件を超えていた。ワンワン。さらに、動物病院と提携して、犬の健康診断、MRI検査、血液検査、レントゲン検査、胃カメラや内視鏡検査、高度医療も、割引で利用できるようにし、これも好評だった。 『ワンワン保険』が大当たりした松平綱吉が、次に犬の幸福のために考えたことが犬の保育園『ワンワンパラダイス』の設立だった。ワンワン。 マンションやアパートで、犬を飼いたい孤独な独身女性、独身男性が多いことに目をつけ、首都圏のグレードの高く、マンションが多い地域のJR,私鉄の駅前に犬の保育園を開設した。 犬の保育園『ワンワンパラダイス』は大人気で、駅前に犬の保育園があるとないとではマンションの売れ行きにも影響するほどになっていたほどである、ワンワン。 犬の保育園『ワンワンパラダイス』では、犬を預かるだけではなく、犬のエステ、ネイルサロン、ドッグマッサージ、美容、トリミング、歯垢除去、ダンス教室、音楽教室、絵画教室、お遊び会、言葉のお勉強など、追加費用でできるプログラムが豊富に用意されていて、それがまた飼い主にとっても、犬にとっても喜ばれた。 お犬様のお陰で、松平綱吉は莫大な財を築いたのである、ワンワン。----金儲け?否、これを犬儲けと呼ぶんですよ、ワンワン---。松平綱吉は先祖である五代将軍徳川綱吉の教えを忠実に守っていた。 犬の気持ちになって、犬の目線で、犬の立場で考えるように心がけていていた、ワンワン。そして、八ヶ岳山麓にお犬様に感謝のつもりの、恩返しのつもりの、犬のための、犬が喜び、犬が誇れる、安全、清潔、自由、健康、平和をテーマに、豪華なお犬様専用リゾートを作ったのであった、ワンワンワンワン、、、。(つづく)作:朽木 一空※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村