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カテゴリ:契約書・公正証書
前回、営業許可に関して、申請書を提出した・していないで、役所と、水掛け論になることを防ぐために、公正証書の一種である、事実実験公正証書を活用しようとしたが、公証人に断られた、友人の話をしたのですが、その際、事実実験公正証書者は、尊厳死でも活用されているということにふれました。 事実実験公正証書とは、権利義務や地位に関係する重要な事実について、公証人が五官の作用で認識した結果を記述する公正証書です。非常に強い証明力があるので、知的財産権の保全に利用されるなど、将来の紛争を予防するのに、活用範囲の広い公正証書です。 尊厳死公正証書とは、尊厳死を望む旨を、本人が、公証人の面前で宣言し、この事実を、公証人が公正証書に記載するというもので、事実実験公正証書の活用例の一つです。これによって、裁判になった場合に、真正に作成された文書だということが推定されます。 20~30年前までは、心臓が停止しかかる度ごとに心臓マッサージを施したり、人工呼吸器をつけたりするなどの延命処置を施していたらしいのですが、最近では、医師が、あらかじめ患者の家族に過剰な延命治療は行わないことを説明して、死期の迫った患者に対しては、できるだけ自然な死を迎えられるようにしていることが多いようで、この、尊厳死宣言公正証書に、どの程度のはたらきがあるのかは、よくわかりません。 一方で、尊厳死の尊重といっても、他方に、殺人罪や嘱託・承諾殺人罪があるわけですから、医師としても、適法領域があいまいなままでは、踏み切れない場合もあるのだと思います。 尊厳死宣言公正証書によって、文書が真正に作成されたものであることは推定されるのですが、この、グレーゾーンが無くなるというものではありません。
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